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「フル・ホワイトLED」への道(その3)

2006/08/29

 前回の続きです。

 まず、お献立です。

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 写真左側は、毎度お馴染みのハイパワーLED、Lumiledsさんの「Luxeon Star (LXHL-LW3C)」で、右側は、日亜化学さんの超高輝度白色LED(以下、ホワイトLED)、「NSPW300BS」です。

(1) ハイパワーLEDについて

 LumiledsのハイパワーLED(Luxeon Star)には、1W、3W、5Wのラインナップがあります。輝度を求めるのであれば5Wモノになりますが、放熱対策の問題(*1)と、定電流回路の費用対効果の関係(*2)で、今回は3Wモノを使うことにしました。

(*1) 現時点で市販されている素子は、まだ光変換効率がそれほど高くないため、ワット数が大きくなるに従って、かなりの発熱が伴います。特に、3Wや5Wの素子では、放熱対策を十分にしないと、自らの熱で寿命を縮めてしまうほど多くの熱を発します。

 「ホワイトエンジェルアイ」では、強制空冷方式を採りましたが、さすがにルームランプ内にマイクロファンを設置する訳にもいかないため、自然放熱でなんとか熱容量を満足できる3Wの素子を選択しました。

(*2) 3Wおよび5Wの素子の定格電流は700mAですが、今回は左右のマップランプ、中央のルームランプを、それぞれ独立に点灯させる必要があります。特に、中央のルームランプは、ドアのOpen/Closeに対応して自動減光させなければなりません。

 定電流回路に用いられるパワーICは、比較的高価であるため、いたずらにパワー(輝度)を求めるのではなく、ある程度リーズナブルな価格で実現できることを主眼としました。

 さてここで、「参考」までに、市販のLEDルームランプで使用されているLEDと、今回使用するハイパワーLEDとの明るさの違いを比較してみます。

 市販のLEDルームランプでは、以前までは砲弾型のLEDが使われていましたが、最近では角形のLEDが、12個ほど(E60用)使われているようです。

superflux_thumb.jpg

 この角形LEDでは、Lumiledsさんからは「Super Flux」 、日亜化学さんからは「High Flux」という素子が製品化されています。またさらに、中国製だか韓国製だかの、怪しいパチリモンの角形LEDもあるようです。

 市販のLEDルームランプでは、どのメーカーのLEDが使われているか、基板を見ただけでは分かりませんが、Lumiledsさんや日亜化学さんは、一般に調達価格が高いので、定価から原価を逆算すれば、言わずもがなな結果になると思われます。

 仮に、ひじょ~に良心的なメーカーであったとして、現時点で最も明るい日亜化学さんの「High Flux (NSPWR70AS)」を使っていた場合、その光度は4.0lm(@30mA)となります。

 一方、Lumiledsさんの「Luxeon Star (LXHL-LW3C)」は、80lm(@1000mA)となります。

 指向角が異なりますが、単純に光束(lm:ルーメン)だけの比較では、20倍ほど違うことになります。
(=仮に最も明るい「NSPWR70AS」を使っていたとしても、20個以上配置しないと、「LXHL-LW3C」1個に敵わない)0xF9F8

(2) ホワイトLEDについて

 日亜化学さんのφ3mmのホワイトLEDには、「NSPW300BS」と「NSPW310BS」とがあります。

 2つの違いは、指向角(半値角)と光度の違いで、「NSPW300BS」は、狭指向角25°で光度4,600mcd、「NSPW310BS」は、広指向角60°で光度2,070mcdとなっています。

 今回は、シフトレバーのあたりを集中的に照らしたかったため、「NSPW300BS」を使うことにしました。

 まずは、シフトレバー周辺をほのかに照らす、φ3mmの砲弾型LEDを置き換えます。

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 写真右側が置き換え前(純正のアンバーLED)、左側が置き換え後(ホワイトLED)です。
(といっても、見た目はほとんど変わりませんが)

 LEDは、極性があるので、あらかじめテスターを使って調べておきます。写真右側の端子が+側で、左側の端子が-側です。

 また、基板上に乗っていた抵抗(715Ω)を、半固定抵抗に置き換えました。これは、明るさを調節できるようにするためです。半固定抵抗の3つの足が載るように、基板を穴開け加工します。

 純正の状態(アンバーLED)で14.4Vを掛けると、15mA流れました。ということで、ホワイトLEDでも15mA流れるように半固定抵抗を調節します。

 LEDの定格電流からすると、20mAまでは流せますが、このLEDはイルミネーションONで常時点灯となるため、あまり流すと寿命が縮まるので、このあたりにしておきます。

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 LEDの収まるソケットを、加工したところです。写真左側が加工前、右側が加工後です。

 純正の状態では、左右に光が漏れないように穴が細長くなっていますが、せっかくの光がもったいないため、ドリルで穴を拡大しておきます。

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 安定化電源を使って、ユニットに組み込んだ状態でテスト点灯させたところです。写真左側が純正の状態(アンバーLED)で、右側がホワイトLEDです。

 純正のアンバーLEDも良いですが、ホワイトLEDも、なかなかに良い感じです。
(好きこのみの問題ですが)

 ということで、「今宵は、これまでにしとうございます」。0xF9C6

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