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続・耕運機サウンドの追求(2) - 取付っ!!

 前回の続きです。

Porsche 911 Type 997, DIY, IPD Plenum, K&N Air Filter

 米国から個人輸入した「IPD Plenum」を、「ガーズレッド」(の近似色)に塗装し、準備万端整った訳ですが、

Porsche 911 Type 997, DIY, IPD Plenum, K&N Air Filter

 いよいよ取り付けます。

 IPD Plenumの「取付説明書」は英語版で、しかも文章のみ(画像なし)ですので、文章に書かれていない(悩みながら取り付けた)部分を中心に、解説します。

Porsche 911 Type 997, DIY, IPD Plenum, K&N Air Filter

 エアクリーナーボックス(以下、エアクリボックス)の上下左右8ヶ所にあるトルクスネジ(T25)を外すと、「上部カバー」を取り外すことができます。

Porsche 911 Type 997, DIY, IPD Plenum, K&N Air Filter

 エアクリボックスの上部カバーの右側には、PSEの負圧配管をした際に説明した「ソレノイドバルブ」が固定されています。

 嵌合で嵌まっているだけですので、上部カバーを引き上げる前に、取り外しておきます。
(画像は、取り外した後の状態)

#なお、このソレノイドバルブは、Carrera S / Carrera 4S用の「DFI 3.8Lエンジン」にはあり、Carrera / Carrera 4用の「DFI 3.6Lエンジン」にはありません。

Porsche 911 Type 997, DIY, IPD Plenum, K&N Air Filter

 エアフローセンサーのコネクタを外し、ホースクランプのボルトを緩めます。

 エアクリボックスの本体は、1ヶ所のゴムブッシュで固定されているだけですので、真上に引き上げることにより、取り外すことができます。

Porsche 911 Type 997, DIY, IPD Plenum, K&N Air Filter

 エアクリボックスが、ぽっかり丸ごと取り外せました。

Porsche 911 Type 997, DIY, IPD Plenum, K&N Air Filter

 純正のエアクリを、K&Nのものに交換します。

 エアクリは、1ヶ所のトルクスネジ(T20)で固定されていますので、これを外します。K&Nのエアクリには、ホースクランプが付いていますので、このボルトを締めて、固定します。

Porsche 911 Type 997, DIY, IPD Plenum, K&N Air Filter

 電子スロットルボディが見えました。

 4ヶ所のボルト(M8)を外すと、電子スロットルボディが取り外せますが、その前に、電子スロットルボディに接続されているコネクタを外します。

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 このコネクタが、“とんでもなく”固く固定されていたため、取り外しにかなり難儀しました。

 まず、コネクタを保護するコネクタカバーがありますので、これを取り外します。コネクタカバーは、表裏2つの部品で構成され、周囲数ヶ所の嵌合で嵌まっています。

 コネクタカバーを外した後、コネクタ本体の両側面にそれぞれツメがありますので、このツメを押しながらコネクタ本体を引き抜きます。

 かなり固いですが、ここを潰してしまうと、“とんでもなく”高く修理代が付きますので、慎重に作業を進めます。

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 取り外した、電子スロットルボディです。

 ベンチュリー径(電子スロットルボディの内径)は、φ82mmでした。Type 997 GT3用と同じ経です。

 ネットで少し調べたところ、Aston Martin DB7 Vantageも、この形状の電子スロットルボディでした。(ベンチュリー径は異なり、もう少し小径ですが)

#もしかすると、欧州車のほとんどは、いま話題(?)のBOSCH製なのかも知れません。

 繰り返しになりますが、電子スロットルボディ(およびその周辺のエアフローセンサーなどの部品)の取り扱いは、くれぐれも慎重に。

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 電子スロットルボディを取り外し、純正のプレナムが見えるようになりました。

 プレナムには、ブローバイホースなどが接続されていますので、これらを取り外します。いずれも、ツメで引っ掛かっていますので、このツメを押しながら引き抜きます。
(英語的には、「Squeeze and Pull」だそうです)

 さて、ここからが難題です。0xF9C5

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 プレナムは、左右の吸気ポートに、上下2つの「半月状のクランプ」で固定されています。まず、このクランプを固定しているボルトを外し、上側のクランプを取り外します。

 プレナムと左右の吸気ポートとの間は、気密性を確保するため、「ゴムブーツ」が入っています。このゴムブーツを吸気ポート側にずらして隙間を作ると、プレナムがなんとか動かせるようになります。

 しかし、いかにエンジンのメンテナンス性が高いPorscheと言えど、そもそも「後付けでプレナムを交換しよう」などとは想定されていないようで、非常に狭いスペースで、“知恵の輪”的な作業が迫られます。

#メカニックグローブを填めて作業しないと、手が傷だらけになってしまいます。0xF999

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 “知恵の輪”が解けて、プレナムが動かせるようになりましたが、まだまだ難題は続きます。

 プレナムの背後(車両の前方側)には、前回説明した、バタフライバルブを開閉させるための「アクチュエーター」が取り付けられています。

 このアクチュエーターは、純正のバキュームラインに接続されていますので、このバキュームラインを、ゴムジョイントの部分で切り離し(引き抜き)ます。

#かなり狭いスペースでの作業になりますが、焦らず慎重に。

 どうしてもバキュームラインを切り離せなかった場合の代替案としては、“先にアクチュエーターをプレナムから取り外す方法”があります。(詳しくは後述)

 バキュームラインを切り離せたら、プレナム本体を、慎重に引き出します。

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 プレナムが取り外せました。

#画像では、前述の“先にアクチュエーターをプレナムから取り外す方法”を採ったため、バキュームラインに接続されたアクチュエーターが残っています。

 なお、作業スペースを確保するため、画像左側のパワーステアリングフルードのフィラーキャップを外しておくと、若干、作業性が改善されます。

 また、言わずもがなですが、現状、吸気ポート(インテークマニホールド)がむき出しとなっています。この状態で、吸気ポート内にゴミなどが侵入すると、エンジン本体に致命的なダメージを与える可能性があります。

 作業中は、吸気ポートをウエスで覆うなど、十分な注意を払って、作業を進めます。

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 取り外した純正プレナムです。

 試しに重量を計測してみたところ、純正プレナムは1.4kg(プラスチック樹脂製)でした。IPD Plenumは3.3kg(アルミニウム合金製)であったことから、1.9kgの重量増となっています。

 以前に取り付けた、PSE(Porsche Sport Exhaust System)とワンオフのセンターパイプとの組み合わせで、約2.0kgの軽量化となっていましたが、これで元に戻ったことになります。

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 純正プレナムの内部です。

 IPD Plenumは、左右の吸気ポートへ分岐する部分の形状が「Y字」で、なだらかな曲線を描いていましたが、純正プレナムは、「T字」で、直角です。

 いかにも吸気抵抗になりそうな形状です。

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 純正プレナムの背後に固定されていたアクチュエーターを取り外し、IPD Plenumに取り付けます。

 アクチュエーター本体は、2ヶ所のキャップボルト(M3)で固定され、アクチュエーターロッドの先は、ボールジョイントに嵌め込まれています。

 まず、クリップリムーバーなどを使って、アクチュエーターロッドをボールジョイントから分離します。その後、ヘキサゴンレンチを使って、2ヶ所のキャップボルトを外し、アクチュエーター本体を取り外します。

 取付説明書にも記載がありますが、このアクチュエーターロッドをボールジョイントから分離する作業は、ボールジョイントが非常に壊れやすい部品であることから、特に慎重に行います。

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 さて、いよいよIPD Plenumを取り付けます。ここから先は、さらに難しい“知恵の輪”を解くことになります。

 その前に、前述の「半月状のクランプ」と「ゴムブーツ」について説明します。

 プレナムと吸気ポートとの間は、数mm程度の隙間が開いています。ゴムブーツの内側には、この隙間にぴったり合うよう、「突起」が走っています。また、ゴムブーツの外側にも、半月状のクランプの形状にぴったり合うよう、「溝」が走っています。

 まず、ゴムブーツの内側に、シリコングリスを適量塗り、指で薄く伸ばします。その後、左右のゴムブーツをIPD Plenumに嵌め込みます。

 最終的な取り付け時には、ゴムブーツの半分の幅がIPD Plenumに、もう半分の幅が吸気ポートに架かるようになりますが、この時点では、ゴムブーツのすべての幅がIPD Plenumに架かるよう、しっかり押し込んでおきます。

 この状態で、IPD Plenumを吸気ポートとの間に位置させ、片方の手でIPD Plenumを支えながら、もう片方の手でゴムブーツを吸気ポート側にずらしていき、プレナムと吸気ポートとの隙間に、ゴムブーツの「突起」が嵌まるようにします。

 狭いスペースの中で、非常に難しい作業になりますが、悪戦苦闘する中で、上手い方法を編み出しました。0xF9A0

 題して、「キャタピラー作戦」です。

(以下、編集中)

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 取付説明書には、エアコンのコンプレッサーを固定しているボルトを、キット付属のロングボルト(170mm)に交換するよう、記載があります。
(取り付け時、ボルトのアタマがIPD Plenumに干渉するため)

 しかし、特段、交換しなくても問題がなかったため、純正のボルトのままにしました。

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 “知恵の輪”が解け、IPD Plenumが取り付けられたところです。

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 電子スロットルボディを元に戻し、コネクタやホース類を接続します。

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 エアクリボックス本体を元に戻します。

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 上部カバーを取り付けて、完成っ!!

 Porsche純正ボディーカラーと同色の、鮮やかな「ガーズレッド」が、“熱い走り”を予感させます(?)。0xF9CB

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