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耕運機サウンドの追求(8) - 本体取付っ!!

 前回の続きです。

 PSE(Porsche Sport Exhaust System)の制御回路の作製、事前の配線・配管を終え、いよいよPSE本体の取り付けです。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 取り付けをお願いするのはここ、大阪府は堺市にある、「とあるマフラー屋さん」です。

 そう、
   「音に、乗れ。Gに、乗れ。改に、乗れ。」
の“柿本改”(カキモトレーシング(株))さんです。

 夜中に東京を発ち、夜通し高速をつっ走って、あっという間に着いてしまいました、やたら早朝に。0xF9C7

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 左右のタイコ(サイレンサー)は、緩衝材でぐるぐる巻きにして、リヤに積んできました。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 こんな感じ。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 いよいよ、走り屋の聖地に潜入します。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 ぬぅお~~~っ!!(パーツ萌え)0xF9CF

 と、感激しているばやいではありません。

 PSEの取り付けだけであれば、都内のショップでもできるところですが、わざわざ“柿本改”さんまで来た目的は・・・、

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 これです、これ。

 ワンオフで、「センターパイプ」を作っていただきました。(詳しくは、後述)

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 まずは、リヤバンパーを始め、どんどん外していきます。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 こちらが、標準のセンターマフラーです。(Porscheの正式呼称は、「Front Muffler」)

 Type 997 Phase 2(後期)へPSEを取り付けた場合の価格・納期を確認した際、PCの部品課の担当者さん(いつも売る気マンマン0xF9C7)を以てして、
   「価格の割には『音が変わらなかった』というお客様が多く、あまりお薦めいたしません」
と言わしめたのは、このセンターマフラーに因るところが大きいようです。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 取り外した標準のセンターマフラー。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System
(画像は、SharkWerksさんから拝借)

 海外のサイト(主に北米)の情報によると、センターマフラー内部は、このように4つの区画に分かれているようです。
(以下の説明の都合上、それぞれの区画を、勝手に命名しています)

 片バンクから出てきた排気は、触媒を通って、まず第一膨張室に入ります。第一膨張室の出側のパイプは、メッシュ状になっており、ここで排気を膨張させ、圧力や熱などを調整しています。

 第二膨張室では、細部の形状が確認できないため、内部で圧力を調整しているかは、分かりません。

 また、左右の第二膨張室は、中央の隔壁で分けられているように見えますが、実はここに小穴が開けられていて、左右の脈動を同調させているようにも考えられますが、これも分かりません。

 いずれにしても、左バンクから出た排気は左のメインサイレンサーへ、右バンクから出た排気は右のメインサイレンサーへ、かなりの“曲げ”を伴って、それぞれ導かれていることが分かります。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System
(画像は、Fabspeed Motorsportさんから拝借)

 この形状に準じて、海外では、このような形状のセンターパイプが、アフターパーツとして出されています。

 その名も、「Center Muffler Bypass X-Pipe」。

 左右のパイプが接している部分は、バンドのような形状の金属で固定されています。この部分は、左右のパイプが独立しているようにも見えますし、若干、重なっているようにも見えます。

 もしかすると、左右のパイプが重なっている部分で、左右の脈動を同調させているようにも考えられます。

 いずれにしても、現物の形状が確認できないため、何とも言えません。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 ところがですね、取り外した標準のセンターマフラーを真横から覗き込んでみると、向こう側が見えることが分かりました。

 どうやら、北米向けと日本向けでは、内部構造が異なるようです。
(正確には、部品コードからすると、北米向けと(主に)欧州/日本向けとがあり、輸出先の保安基準等に応じて、センターマフラーを使い分けているようです)

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 これより、欧州/日本向けの内部構造は、このようになっているのではないかと、勝手に想像したりしています。

 左右の両バンクから出てきた排気を、センターマフラー全体で同調させ、左右のメインサイレンサーへ導いているようです。

#ということで、言わずもがなですが、ネットの情報は、そのまま鵜呑みにしてはいけない、ということですね。0xF9C5

 この内部構造の違いが、(北米向けに比べて)欧州/日本向けのPSEの音が“大人しい”原因のようです。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 この欧州/日本向けのセンターマフラーに対し、北米向けのセンターマフラーの形状に準じて、「センターパイプ」を作ってもらおうと考えた訳ですが・・・、

 どうもですね、左右の両バンクから出た排気を、センターマフラーの中央部で大きく“曲げ”ている形状が気に入りません。(画面上段)0xF9C5

 素人考えですが、この大きく“曲げ”ている部分で、排気の流速が落ちるというか、外周と内周で流速が異なることにより、排気効率が落ちてしまうように思えてなりません。
(まぁ、純正でもそうなっているので、まったく問題ないのだとは思いますが)

 そこで、「せっかく、一から作ってもらうなら」ということで、180°折り返すのではなく、左バンクから出た排気は右のメインサイレンサーへ、右バンクから出た排気は左のメインサイレンサーへ、それぞれそのまま“ストレート”に導かれるようなセンターマフラーを作ってもらうことにしました。(画面下段)

 その名も、「Center Muffler Bypass Straight X-Pipe」。(と、勝手に命名)0xF9F8

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 前置きが長くなりましたが、つぎつぎ作業を進めていきます。

 標準のセンターマフラーと左右のメインサイレンサーを、取り外したところです。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 心配していた、触媒の出側のスタッドボルトも、折れることなく取り外すことができました。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 ワンオフのセンターパイプを取り付け。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 どうです? この美しい“曲げ”。0xF9CF

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 いつまで見ていても、飽きません。

 惚れ惚れするような美しさです。0xF9CB

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 メインサイレンサーを取り付け、リヤバンパーを元に戻し、チタンカラーに塗装し直した「デュアルテールパイプ」を取り付けます。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 最後は、店長御自らの手によって、左右のデュアルテールパイプが完全にシンメトリーとなるよう、調整してくださいました。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 各部の取り付け状態について、最終チェックをして、

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 完成っ!!0xF9CF

 さっそく、PSEがONとOFFとでの音の違いが分かるよう、動画を編集してみました。(海外用に英語表記)

 いや~、まずいです、これ。0xF9FC

 「常時PSEスイッチ」をON(エンジン始動時からPSEがON)にしてイグニッションキーを回すと、アイドリングの状態でも、とんでもなく“野太い音”がします。

 アイドリングだけでなく、アクセルを煽った時の音も録ろうと思ったのですが、自宅駐車場ではさすがにこの音量では気が引けたので、止めました。0xF9C8

 何と言っても圧巻なのは、アクセルを煽った状態から、急に抜いた時のエキゾーストノートです。

 「ブォ~ン、ブォ~~~ン!」と煽ってから急に抜くと、「バリ バリ バリ バリ!」という“バブリング音”がします。0xF9CB

 まさに、泡が弾けるような音。

 し、しかしですねぇ、いいんでしょうか、純正マフラーでこんな派手な音がして。0xF999
(Lamborghiniの「Huracan」かっちゅ~の!)

 この“バブリング音”、今回ワンオフで作っていただいた「センターパイプ」の形状に因るところが大きいと考えます。

 標準のセンターマフラーは、左右の両バンクから出てきた排気を、センターマフラー内部で交差・同調させ、左右のメインサイレンサーへ導いています。

 一方、今回の「センターパイプ」は、排気を交差・同調させず、左バンクから出た排気は右のメインサイレンサーへ、右バンクから出た排気は左のメインサイレンサーへ、それぞれ独立したまま導いています。

 いわゆる、「ストレート構造」です。(というか、直管?)0xF9C7

 これにより、左右の両バンクの排気音が“丸まらず”、そのままメインサイレンサーに送り込まれるため、標準の状態では考えられないような“勇ましい音”が奏でられます。

 しかも、この音は、水平対向6気筒エンジンならではのものです。まさに、「耕運機サウンドの追求」にぴったりです。

 で、肝心の“バブリング音”の動画は、次回、また改めて!0xF9CE

〔おまけ〕

 Carrera Sの標準のマフラーシステムと、PSE+センターパイプの組み合わせでの重量を比較してみます。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 まず、標準のセンターマフラーです。6.38kgありました。

 センターパイプは約2.0kgでしたので、約4.4kgの軽量化になります。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 つづいて、標準のメインマフラーです。9.32kgありました。

 PSEのメインマフラーは10.56kgでしたので、約1.2kgの重量増となっています。

 PSEは、3本のパイプ(INが1本、OUTが標準と直管とで2本)が出ていることと、バタフライバルブやアクチュエーターなどが取り付けられていることにより、標準より重くなっています。

 これらにより、センターパイプで約4.4kgの軽量化、左右のメインマフラーで約2.4kgの重量増により、都合、約2.0kgの軽量化となりました。

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