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Type 997(後期型)フロントウィンカーのLED化(1)

2016/10/02

 以前に紹介した「サイドウィンカーのLED化」の続編です。

 Porsche 911 Carrera S Type 997は、Phase 2(後期型)からリヤウィンカーがLED化されていますが、フロントやサイドについては、なぜだかまだ電球が使われています。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 そこで、今回は、「フロントウィンカー」(フロントターンシグナルランプ)を、LED化してみることにします。0xF9A0

 まずは、材料集めから。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 ドイツに行っている間に、ドイツから小包が届いていました。0xF9C7

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 中身は、こちら。

 部品コードは、「999 631 253 91」、価格は、21.59ユーロ(約2,480円)/個です。

#ちなみに、PCでの日本国内価格は、4,644円/個でした。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 あわせて、アメリカからも小包が届いていました。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 中身は、こちら。

 価格は、9.95ドル(約980円)/個です。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 Type 997 Phase 2のフロントウィンカーは、「HP24W」という、日本国内では聞き慣れない形状のバルブが使われています。

 欧州でも、あまり一般的ではないようで、「HP24W LED」などで検索しても、名の通ったメーカーからの製品は、出ていません。

 出ていたとしても、CREE社製の何世代か前のLEDを使った、あまり光量のなさそうな“ちゅーこく製”の製品はありますが、発光色は「ホワイト」となっており、ウィンカーに適した「アンパーイエロー」のものは、ありません。

 他方、「HP24W」の「アンバーイエロー」のものは、日本の“とあるWebショップ”が扱っていますが、角形LEDを手ハンダで積層しているという、ガビガビの汚ったね~作りで、とてもPorscheに装着できるようなクオリティーではありません。

#しかも、2個で24,000円という、超ボッタクリ価格!0xF9D1

 まぁ、そもそも、見ず知らずのトーシローが作った製品(作品?)なんて、はなから購入するつもりはありませんので、ここは、いつものように、いくつかの素材を組み合わせて、Porsche用のものを“こさえる”ことにします。

#「お前もトーシローじゃね~か!」というツッコミはさておき。0xF9C7

 能書きが長くなりましたが、画像上段が、Porsche純正の「HP24W」バルブです。

 画像下段が、アメリカから購入したLEDバルブです。

 アンバーイエローの5050のSMD(表面実装部品)タイプのLEDが、合計30個搭載されています。(側面に6個×4スロット、頭頂部に6個)

 当然、「HP24W」用のものではなく、「PY21W」というバルブ形状用のものです。

 また、サイドウィンカーの時と同様、ハイフラ防止対策の施された、「CanBus対応」の製品を選んでいます。

#ハイフラのキャンセラーとして、セメント抵抗などを咬ますというのは、せっかくのLEDの省電力性を蔑ろにした、まさに“愚の骨頂”で、「電気のトーシロー」と言わざるを得ません。0xF9D1

 さて、放言はこれくらいにして、

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 まずは、「HP24W」バルブを分解します。

 電球の直径は、φ18mmでした。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 つづいて、「HP24W」用のLEDバルブを分解します。

 頭頂部の円形の基板の直径も、ほぼ18mm(というか、そうなるように選んだのが、「PY21W」用のLEDバルブ)でした。0xF9C6

 逆接続防止用のダイオードが、+側に入っています。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 こちらは、秋月電子通商で購入した、「ブリッジダイオード」。5個入りで100円です。

#部品代より、ガソリン代の方が高いという。0xF9C7

 ご存じのとおり、LEDには極性がありますが、このブリッジダイオードを、LEDバルブと車両側のソケットとの間に咬ますことにより、無極性(というか、ソケットの向きをどちらに挿してもLEDが点灯するよう)になります。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 フライス盤を使って、「HP24W」バルブのソケットを加工します。

 ブリッジダイオードの頭が入るよう、ソケットの中心部分を、3mmほど切削します。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 このような感じで、ブリッジダイオードが、ソケットにすっぽり填まるようにします。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 LEDバルブに、ブリッジダイオードを、ハンダ付けします。

 ブリッジダイオードの足は、ソケット側の接点として、そのまま残します。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 LEDバルブを、ソケットに、仮組みしてみます。

 Porsche純正の「HP24W」バルブと比べると、かなり高さ(長さ)がありますが、Type 997 Phase 2のウィンカーユニット内には、十分なスペースがありますので、問題ありません。

 バルブの発光位置も、それを受けるリフレクターの形状にも依りますが、まぁ、大丈夫でしょう。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 φ18mm(内径φ14mm)のアクリルパイプを、サーキュラーソウで、高さ9mmに切り出します。

#Audiのマークではありません。0xF9C7

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 アクリルパイプを、プラスチック用の耐熱接着剤で固定して、完成。

 透明アクリルパイプを使ったため、ちょうどブリッジダイオードの部分が、スケルトン状態になっていますが、特に意味はありません。

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 このまま取り付けても良いのですが、その前に、ちょっと工夫を。0xF9C6

 今回購入したLEDバルブは、赤色のソルダーレジストが使われています。この状態のままウィンカーユニット内に取り付けてしまうと、この赤色がリフレクターに映り込んで、どちらが前なのか分からなくなってしまいます。

#と、いうのは、ちょっと大げさですが。0xF9C7

 そこで、この赤色を消すために、ひと手間加えることにします。

 5050のSMDにぴったり合うよう、マスキングテープを5mm角に正確に切り出し、精密ピンセットで貼り付けます。

#30個すべてのLEDに、ズレなく正確に貼り付けていくという、地道な作業の繰り返し。0xF9C8

Porsche 911, HP24W LED Front Winker

 LEDバルブを、フラットホワイト(ツヤ消し白)で塗装したところです。

 赤色掛かった色調を、完全に消すことができました。

 これを、片側2個、左右で合計4個、作ります。

 と、いうことで、いよいよ取り付けですが・・・、

 フロントバンパーに埋め込まれているウィンカーユニットは、Type 997 Phase 1(前期型)の場合には、専用のカード型のツールを使って、比較的簡単に取り外すことができます。

 しかし、Type 997 Phase 2(後期型)の場合には、フロントバンパーに完全にビルトイン(固定)されているため、バンパーを取り外さない限り、バルブの取付位置にアクセスすることができません。

 フロントバンパーの取り外しは、かなりの大工事となるため、次回に続きます。

(つづく)

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