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デュアルCPUマシンを作る(4) - 水冷化の準備

2021/11/27

 前回の続きです。

 Asus「WS C621E Sage」の起動が確認できたところで、性懲りもなく、主要な発熱源を水冷化することにします。

EK-Annihilator Pro - Square ILM for Dual CPU Machine

 CPUがデュアルということで、ウォーターブロックもデュアルに。

 EK Water Blocksの「EK-Annihilator Pro - Square ILM」(167.99ドル×2個)です。

EK-Annihilator Pro - Square ILM for Dual CPU Machine

 LGA3647用ということで、予想以上に大きいです。

 まさに「金属削り出し」という感じで、ずっしりと重いです。

 前モデルに「EK-Annihilator EX/EP Square」というものがありましたが(すでにディスコン)、新モデルでは、クーラントのインレット/アウトレットのポート数が増え、パイピングの自由度が増しています。

EK-Quantum Vector Strix RTX 2080 Ti D-RGB for Dual CPU Machine

 GPUもデュアルということで、ウォーターブロックもデュアルに。

 EK Water Blocksの「EK-Quantum Vector Strix RTX 2080 Ti D-RGB - Nickel + Plexi」(173.99ドル×2個)と「EK-Quantum Vector Strix RTX 2080 Ti Backplate - Black」(46.99ドル×2個)です。

 前者が、ウォーターブロック本体で、後者が、そのバックプレートになります。

 ウォーターブロック本体には、今回購入した「クリアタイプ」と「ブラックタイプ」(167.99ドル)があります。また、バックプレートには、「ニッケルタイプ」(56.99ドル)と、今回購入した「ブラックタイプ」があります。

nVIDIA RTX NVLink HB Bridge 2-Slot for Dual CPU Machine

 こちらは、ある意味、今回最も重要なパーツです。

 nVIDIAの「RTX NVLink HB Bridge 2-Slot」(79.99ドル)です。

nVIDIA ROG NVLink Bridge for Dual CPU Machine
(画像は、Asusより拝借)

 Asusの「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」は、スロット幅が2.7あり、実効的に、2枚のビデオカードは、3スロット以上の幅を開けて実装することになります。

 これに対応するため、Asusの「ROG-NVLINK」も、3スロット版と4スロット版の2種類がランナップされています。(画像は、3スロット版)

Dual CPU Machine Asus WS-C621E-SAGE

 一方、「WS C621E Sage」は、PCI Express(Gen3.0)スロットが7本用意され、最大4-WayまでのnVIDIA SLIに対応していますが、ビデオカードは、2スロットおきに実装するよう指定されています。(3, 5, 1, 7スロットの順)

 「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」を水冷化すれば、スロット幅が2以下となり、「WS C621E Sage」の実装上の条件を、一応、満たすことになります。

 しかし、前述のとおり、Asusの「ROG-NVLINK」には、2スロット版がラインナップされていません。(ELSAほかのサプライヤからも、ラインナップされていません)

 どうしたものかと考えあぐねていたところ、海外のサイトで、Quadro RTX 6000用の「NVLink HB Bridge」で、GeForce RTX 2080 Tiが並列動作できたとの記事を発見しました。

nVIDIA RTX NVLink HB Bridge 2-Slot for Dual CPU Machine
(画像は、ELSAから拝借)

 かなりの賭けだったのですが、「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」を2本も買ってしまい、このままでは単なる金属の塊となってしまうため、急ぎ、個人輸入することにしました。

 ちなみに、Quadro RTX用の「NVLink HB Bridge」には、リンク速度(帯域幅)50GB/sのQuadro RTX 5000用のものと、リンク速度100GB/sのQuadro RTX 6000用のものと、同100GB/sのQuadro RTX 8000用のものがあります。

 間違って不適合のものを購入してしまわないよう、注意が必要です。

nVIDIA RTX NVLink HB Bridge 2-Slot for Dual CPU Machine

 こちらは、Quadro RTX 6000用の「NVLink HB Bridge」で、2スロット版(P3394)になります。

#ディスコン前に手に入れられて、よかったぁ。0xF9C7

EK-Scalar Dual 2-slot - Acetal for Dual CPU Machine

 こちらは、上記に連動したパーツです。

 EK Water Blocksの「EK-Scalar Dual 2-slot - Acetal」(32.99ドル)です。

EK-Scalar Dual 2-slot - Acetal for Dual CPU Machine

 ビデオカード用のウォーターブロックを、2スロット幅で連接する際に必要となるものです。

 こちらにも、「クリアタイプ」(34.99ドル)と、今回購入した「ブラックタイプ」があります。

 なお、連接用のアダプタには、「EK-FC Terminal」シリーズと、今回購入した「EK-Scalar Dual」シリーズがあります。

 前述のビデオカード用のウォーターブロック、「EK-Quantum Vector」シリーズは、クーラントのインレット/アウトレットの形状が見直されており、連接用のアダプタとしては、後者の「EK-Scalar Dual」シリーズが適合します。

 間違って不適合のものを購入してしまわないよう、注意が必要です。

EK-CoolStream Radiator Series for Dual CPU Machine

 CPUがデュアルということで、ラジエーターもデュアルに。

 EK Water Blocksの「EK-CoolStream SE 240 (Slim Dual)」(69.99ドル)と「EK-CoolStream PE 240 (Dual)」(77.99ドル)です。

EK-CoolStream Radiator Series for Dual CPU Machine

 その名のとおり、120mm角のPCファンを、2つ並列にセットできます。

 「SE 240 (Slim Dual)」(下段)は、ラジエーターの厚さが28mm、「PE 240 (Dual)」(上段)は、40mmとなっています。

 当然、厚みがある分、後者の方が放熱性能が優れています。前者は天板用に、後者は前面用にと、使い分けます。

 また、細かいですが、「EK-CoolStream」シリーズには、「Classic」というサブシリーズがあり、購入したものとは、クーラントのインレット/アウトレット部の形状が異なります。

 同じ240サイズのラジエーターでは、「EK-CoolStream Classic SE 240」(58.99ドル)と「EK-CoolStream Classic PE 240」(75.99ドル)がありますが、FPI値が、SEモデルでは「旧:16、新:18」、PEモデルでは「旧:13、新:20」となっています。

 FPI値とは、「Fin Per Inch」のことで、単位長さ当たりのフィン(ひだ)の数を示します。このFPI値が、ほぼほぼ放熱性能に比例すると考え、最新のモデルを購入しておきました。

EK-DBAY D5 MX and EK-Loop D5 G3 PWM Motor for Dual CPU Machine

 こちらは、クーラントのリザーバーとDCポンプです。

 EK Water Blocksの「EK-DBAY D5 MX - Acetal」(生産終了)と「EK-Loop D5 G3 PWM Motor」(94.99ドル)です。

EK-DBAY D5 MX and EK-Loop D5 G3 PWM Motor for Dual CPU Machine

 PCケースの前面、5.25インチのドライブベイに、組み込むことができるようになっています。

 実は、こちらには、リザーバーとDCポンプがセットとなった「EK-DBAY D5 PWM MX - Acetal (incl. pump)」もあったのですが、発売が6年も前(2015年11月)ということもあり、すでにディスコンになっています。

 どこかに在庫が残っていないかと、あちこち探し回った結果、やっとドイツのAmazonに、最後の1つが残っていることが分かり、速攻でポチりました。

#危なかった~!0xF9C7

 最後の1つは、ポンプ無しのモデルであったことから、別途、PWM制御のポンプを購入することになりました。

 セットで買うより、バラで買った方が高くなってしまいましたが、逆に良いこともありました。

 ポンプ有りのモデルに付いていたものは、第二世代のポンプ(EK-D5 PWM G2 Motor)で、現在購入できるものは、第三世代のポンプ(EK-Loop D5 G3 PWM Motor)となっています。

 両者とも、XylemのDCポンプのOEMで、機械的性能には変わりがありませんが(最大揚程:3.5m、最大流量:1,500L/h)、配線ケーブルが、カラフルなものから「ブラック」に統一され、電源ケーブルが「SATAコネクタ」に変更されています。

#公式HPでは、“エレガントになった”と紹介されています。0xF9C7

 なお、こちらにも、「クリアタイプ」と、今回購入した「ブラックタイプ」があります。

EK-DBAY Spin Reservoir (R3.0)
(画像は、EK Water Blocksから拝借)

 ちなみに、現在購入できる5.25インチドライブベイ用のリザーバーは、第三世代のモデル(EK-DBAY Spin Reservoir (R3.0))となっています。

 こちらは、フローインジケーターとして、小さなインペラーがクルクル回るようになっています。その意味では、だいぶ改良されています。

 とても便利そうなのですが、残念なことに、こちらは、リザーバーにDCポンプを内蔵することができません。

 もともと、本格水冷では、水冷ループの途中、PCケースの内部に、円筒形のリザーバーとDCポンプを配置する方法が、一般的になっています。

 しかし、今回は、ミドルタワーのPCケースに、SSI-EEBのマザーボードを無理矢理押し込んでいるため、配置できるスペースに限りがあります。

 いろいろ考えた末、クーラントの水量や水流の視認性の観点から、前回と同じ方法を踏襲することにしました。

RAIDカードの水冷化(2)」(2014年8月30日)

Water Cooling for RAID Card

 堂々、完成です。0xF9F8

 最終的には、このような感じになることを想定しています。0xF9F8

EK-DuraClear Tube 3M RETAIL for Dual CPU Machine

 配管用のソフトチュープです。

 EK Water Blocksの「EK-DuraClear 11,1/15,9mm 3M RETAIL」(16.99ドル)と「EK-DuraClear 9,5/15,9mm 3M RETAIL」(17.99ドル)です。

 今回は、ハードチュープにしようと思ったのですが、配管の自由度の観点から、やはりソフトチューブに勝るものはないと考え、前回を踏襲しました。

 前者が、外径16mm/内径12mmのフィッティング、後者が、外径16mm/内径10mmのフィッティングに適合します。

 CPUがデュアルのため、水冷ループの経路上、CPU用のウォーターブロックで、二分岐するところがあります。

 流速を落とさないよう、外径は同じにしつつ内径を絞ることにより、水圧の変化を大きくしないよう配意しています。

EK-Quantum Fittings for Dual CPU Machine

 ソフトチューブ用のフィッティング類です。

 必要数を見積もり、一部まとめて買った方がお得な場合は、セットで購入しています。

EK-Quantum Fittings for Dual CPU Machine

 上段左は、水温センサーです。

 ラジエーターから出た、最も冷やされた状態の位置と、2基のGPUのウォーターブロックから出た、最も温められた状態の位置に組み込みます。

 ここまでは、すべてEK Water Blocksのパーツを選んできましたが、同社の水温センサーは、プラグから熱電対が飛び出た形状(EK-Loop Connect - Temperature Plug Sensor)をしています。

 気持ちの問題ですが、なんとなく、水流を妨げる(乱流を起こさせる)気がするため、ドイツのAquacomputerの水温センサーにしました。

 同社の「Temperature sensor internal/external thread G1/4」(16.49ドル)は、短いエクステンダーの形状をしていて、この円筒の中に、熱電対が仕込まれています。

 さらに、水冷ループの途中に割り込ませるにあたり、「メス/メス」、「メス/オス」の2つのタイプがありますが、接続の容易性の観点から、後者を選定しました。

 上段右は、ロータリーエクステンダーです。

 前述の水冷センサーは、熱電対からの配線が2本出ていますが、短いエクステンダーのネジの切り始めの位置により、ネジを締め込んだ際に、この2本の配線が、あらぬ方向に飛び出てしまうことがあります。(前回の本格水冷化にて、経験済み)

 そこで、EK Water Blocksの「EK-Quantum Torque Extender Rotary MF 14 - Black」(8.49ドル)を途中に入れ、狭いPCケース内でも、2本の配線を適切な方向に引き出せるよう、円筒の軸を回して調整することができます。

 下段は、リザーバー内を照らすLEDを設置するための、メクラ栓(プラグ)です。

 EK Water Blocksの「EK-PLUG G1/4 Plexi (LED 5mm)」(2.99ドル)で、その名のとおり、φ5mmのLEDをプラグ内に固定することができます。

EK-CryoFuel Acid Green and EK-Loop Soft Tube Cutting Tool for Dual CPU Machine

 最後は、クーラント類です。

 EK Water Blocksの「EK-CryoFuel Acid Green (Concentrate 100mL)」(10.99ドル)です。

 その名のとおり、濃縮100mLで、900mLの精製水で希釈して使います。

 同じグリーンのクーラントには、希釈せずにそのまま使える1,000mLのもの(17.99ドル)もありますが、航空便の場合は、嵩が増えると輸送賃も上がるため、濃縮されたコンパクトなものを選択しました。

 と、いうことで、これにて、水冷化のためのパーツが揃いました。

(つづく)

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