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BBS Wheel Archive
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2006/05/29

 前回の記事の続きです。

 BMW Japan、日本BBS、およびタイヤメーカー各社の「カスタマーセンター」に電話を掛けまくり、重量を確認しました。我ながら、かなりマニアックな領域に突入してきました。0xF9C7

#BMW Japanのお客様対応は、「素晴らしい」の一言に尽きました。

 まずはじめに、M5ホイール(Radial Spoke - Style 166M)の重量は、
   Front: size 8.5J x 19inch, offset +12mm, weight 13.3kg
   Rear:  size 9.5J x 19inch, offset +28mm, weight 13.2kg
とのこと。

 リヤは、リム幅が1インチ広いにも関わらずフロントとほぼ同じ重さになっています。なぜかと不思議に思ったのですが、これは逆に、フロントのオフセットが16mmほど浅いので、その分の重量増加(センター部分の)だと考えられます。
(「リヤが軽い」というよりは、「フロントがいくぶん重くなっている」という感じ)

 参考までに、M-Sport Packageのホイール(Double Spoke - Style 135M)の重量は、
   Front/Rear: size 8.0J x 18inch, offset +20mm, weight 11.2kg
とのこと。

 つづいて、BBSのアルミ鍛造ホイール「RE」の重量は、
   Front: type RE011, size 8.5 x 19inch, offset +15mm, weight 9.7kg
   Rear:  type RE012, size 9.5 x 19inch, offset +25mm, weight 10.8kg
とのこと。

 さすがにアルミ鍛造だけあって、外径が1インチアップし、リム幅も広がっているにも関わらず、「Style 135M」より軽くなっています。

 なお、「RE」には、スポークがリムに向かってラウンドしているものと、フラットになっているものとがありますが、E60用の「RE」は、いずれも「フラット・スポーク」とのこと。
(良かった良かった)0xF9C6

bbs-re01.jpg
(写真は、「ラウンド・スポーク」)

 さてさて、気になるタイヤの重量です。

 まずは、Bridgestoneの「REGNO GR-8000」(以下、REGNO)の重量は、
   Front: 245/35R19 89W, wide 245mm, diameter 655mm, weight 11.4kg
   Rear:  275/30R19 92W, wide 268mm, diameter 645mm, weight 12.2kg
とのこと。
(リヤの外径が、フロントに対して10mmも小さくなるのが、ちょっと気になります)

 つづいて、Michelinの「Pilot Sport PS2」(以下、PS2)の重量は、
   Front: 245/35 ZR19 (93Y)XL, wide 248mm, diameter 655mm, weight 10.3kg
   Rear:  275/30 ZR19 (96Y)XL , wide 278mm, diameter 649mm, weight 11.2kg
とのこと。

 よって、PS2は、REGNOに対して、同一サイズで1.0kgほど軽いことになります。

 参考までに、M-Sport Packageのタイヤ(Dunlopの「SP Sport」(RFT)が装着されていた)の重量は、
   Front/Rear: 245/40ZR18 93Y, wide 242mm, diameter 652mm, weight 11.7kg
とのこと。

 これにより、M-Sport Packageのタイヤ&ホイールの重量は、
   Front/Rear: weight 22.9kg (Dunlop RFTの場合)
となります。

 あとは、タイヤとホイールの組み合わせになります。

 まずは、仮に「M5ホイール」に、REGNOまたはPS2を組み合わせた場合、
   Front: REGNO 24.7kg, PS2 23.6kg
   Rear:  REGNO 25.4kg, PS2 24.4kg
となり、「BBS REホイール」に、REGNOまたはPS2を組み合わせた場合、
   Front: REGNO 21.1kg, PS2 20.0kg
   Rear:  REGNO 23.0kg, PS2 22.0kg
となります。

 これにより、当初予定していた「M5ホイール+REGNO」の組み合わせでは、M-Sport標準に対して、4輪で+8.6kgの重量増となります。これに対し、「BBS REホイール+PS2」の組み合わせでは、逆に4輪で-7.6kgの重量減となります。

 バネ下重量1kgの軽量化は、ボディー重量10~15kgの軽量化に匹敵すると言われています。仮に軽量効果が10kgだとしても、「M5ホイール+REGNO」の組み合わせでは、86kgの重量増、「BBS REホイール+PS2」の組み合わせでは、76kgの重量減となります。ほぼ、男性一人分の減量(または増量)にあたります。

 GTカー選手権などでは、前回の勝者にウェイトハンデが課せられたりしていますが、あれだけのパワーを誇るGTカーでさえ、50~100kgのウェイトを背負わされると、コーナリング時の安定性や立ち上がりの速さに、如実に現れてきたりしています。ましてや、258psの530iでは、ことさら大きな違いとして現れてくることでしょう。

 どこぞのホイールメーカーの謳い文句ではありませんが、「5kgの荷物を持って走ることはできても、5kgの鉄ゲタを履いて走ることはできません」というところでしょうか。

 何事も、下調べが必要ですね。ノーマルのE60にM5ホイールは、「荷が重すぎる」ということがよく分かりました。カッコだけを追ってデグレードせずに良かった~と、つくづく思います。0xF9C5

2006/05/27

 前回のレポートでも少し書きましたが、いい加減、ランフラットの堅さに耐えられなくなってきました。0xF9C8

 そろそろ夏棒茄子の収穫の季節でもあり、「お洒落は足下から」ということで、ホイール&タイヤをリプレースすることにしました。0xF9F8

 まずはホイールの選択です。

 もっとも有力な候補として、いまや"定番"となったM5純正の「Style 166M」を考えていました。ただし、これまで「Super-RS18」「LM19」と履いてきた職人としては、BBS鍛造ホイールの"軽さ"も、見逃すわけにはいきません。

 さらにBBSさんでは、この夏にも、F1テクノロジーをふんだんに投入した新作ホイール「LM-R」の発売も控えています。

 どれにしようか、メチャメチャ迷ってしまいます。0xF9CF

 まずは「Style 166M」。このホイールですが、これまでの調べに依ると、ドイツ本国のBBS製で、アルミ鋳造ホイール。しかしながら、ホイール重量が単体で13kg近くもあるようです。

 最高出力507psを誇るM5なら、軽~く履きこなしてしまうと思いますが、258psの530iには、少し荷が重すぎるように思われます。

 BBSのアルミ鍛造ホイールの重量は、19インチで9.0kg後半~10.0kg前半、マグネシウム鍛造ホイールは、18インチで7.0kg後半~8.0kg前半です。

 単純な重さだけの比較では、BMWの純正アルミ鋳造ホイールとBBSアルミ鍛造ホイールとでは、アルミ鍛造ホイールをマグネシウム鍛造ホイールに換えるに匹敵するくらい、効果があることになります。

 いくら"定番"だとはいえ、カッコだけを追った挙げ句、BMWの最大の魅力である「駆けぬける歓び」をスポイルてしまっては、何の意味もありません。
(おそらく、慣性モーメントの増大により、出足がダルくなってしまうことでしょう)

 ということで、「Style 166M」は却下。0xF9A5

 やはりここは、日本の誇る、BBS鍛造ホイールにすることにします。

 さてそこで、「どのモデルを選ぶか」ということになりますが、「"LM-R"の発売まで待つことにしよう」とも考えましたが、「Super-RS18」⇒3ピース、「LM19」⇒2ピースと着々と"減量"していることから、つぎなるホイールは、現時点での最新モデルで、鍛造1ピースである「RE19」にすることにしました。0xF99A

bbs-re01.jpg

 ちなみに、E60用のサイズは、
   type: RE 011, size: 19×8.5, offset +15, hole/P.C.D: 5/120.0, bore: PFS, spoke: flat, weight: 9.7kg
   type: RE 012, size: 19×9.5, offset +25, hole/P.C.D: 5/120.0, bore: PFS, spoke: flat, weight: 10.8kg
となります。

 つづいて、タイヤの選択です。

 ランフラットタイヤのアタリの堅さに辟易していたため、静粛性&快適性を第一に考えることとします。

 プレミアムサルーン向けのコンフォート指向の代表格としては、まずは、Bridgestoneの「REGNO GR-8000」が上げられます。また、少しスポーツ指向寄りとなりますが、本国ドイツでも、BMWの純正オプションタイヤとして多用されている、Michelinの「Pilot Sport PS2」が上げられます。

 ということで、この2つのタイヤのいずれかと、前述の「RE19」の組み合わせ検討することにしました。

 ちなみに、E60用のサイズは、
   245/35 ZR19 wide: 248mm, diameter: 655mm, rim: 8.5J
   275/30 ZR19 wide: 278mm, diameter: 649mm, rim: 9.5J
となります。

 ここで、もっとも気になる「お値段」を調べてみました。

   BBS RE19+REGNO GR-8000
      定価: 703,920円、店舗A: 581,750円、店舗B: 508,260円
   BBS RE19+Pilot Sport PS2
      定価: 719,200円、店舗A: 541,750円、店舗B: 528,460円

 店舗A: 国内最大手の某通販ショップ。タイヤ組付、バランス取り、送料込み。店頭装着の場合は+11,550円。窒素ガス封入は+6,300円。
 店舗B: いつもお世話になっている某ショップ。タイヤ組付、バランス取り、店頭装着工賃込み。窒素ガス封入は+1,260円。

 店舗Aでは、定価の高いPS2に対して、なぜかREGNOの売価が高くなるという逆転現象が起きていますが、いずれにしても、店舗Bの圧倒的勝利です。

 さらにここで、juinさんから、「REGNOは重い」という情報を入手。たしかに、ノイズ吸収シートなど、静粛性を高める工夫がなされているため、その分、重いのかも知れません。(現在、両メーカーに問い合わせ中)

 ということで、最終的には、「BBS RE19+Michelin Pilot Sport PS2」の組み合わせになりそうです。夏棒茄子、半分つぎ込んじゃいま~す。0xF9F8

2006/04/29

 M-Sport Packageでは、18インチ(245/40)のランフラットタイヤが標準になっています。ライン装着のタイヤには、ブリヂストンとダンロップの銘柄があるようですが、残念ながら職人の530iには、「ダメロップ」のタイヤが装着されていました。

 前車のARISTOでは、「TOM'S Advox+BBS LM19」の組み合わせで乗っていました。Advoxの足は、標準の足から比べれば相当に引き締められてはいましたが、不快な感じはしませんでした。

 対して、530iですが、購入前にHi-Line(ノーマルタイヤ)とM-Sport(ランフラットタイヤ)のクルマを何度か試乗させていただきましたが、ランフラットタイヤのゴツゴツ感ときたら・・・。構造上、サイドウォールが堅いのは理解できますが、それにしてもこの堅さ。

 納車後、すぐにM5ホイール「Style 166M」かBBSホイールに変更しようと思っていたのですが、BBSさんから新作ホイール「LM-R」が発売されるとのことで、それまで待つことにしました。

 前置きが長くなりました。

 納車から半年ちょっと経過しましたが、「もう我慢ならねぇ!」ってことで、ランフラットタイヤのゴツゴツ感を少しでも軽減する対策として(気休めとして)、窒素ガスを充填することにしました。

 場所は、これまで度々お世話になっている、某「TOYOTA」のディーラーさんです。
(すみませ~んっ! あのARISTOが、角張って厳つい目付きになって帰ってきました~っ!)0xF9C7

bbs-re01.jpg

 空気圧は、BMWの指定どおり、フロント:2.3、リヤ:2.8としました。タイヤ4本分で、2,100円(税込)なり。

 リフトアップしたついでに、下回りをじっくり観察。普段はなかなか見る機会がないと思います。0xF8F2

bbs-re02.jpg

 ふむふむ、アルミ合金が、いたるところに多用されています

 さて、気になる乗り心地の変化です。

 いつものテストコース(湾岸線西行き、浦安付近のストレート、有明付近のストレート)で試してみましたが、確かに、ギャップ通過時の突き上げ感が、多少軽減されたような気がします。
(プラシーボ効果だとは思いますが)

 あと、高速巡航時の「クォ~~ン」というゴムまりのような微かな定常音が、消えました。
(あっ、職人ですが、別のところでも書きましたが、ふつ~のヒトには聞こえないような、高調波成分が聴こえるみたいなんです)

 まぁ、「乗り心地の改善」というよりは、職人の場合は、「空気圧低下の予防」を主眼としているので、こんなもんだと思います。

 皆さんも、お手軽チューンの一つとしていかがでしょうか。0xF9EB

2006/01/15

 つづいて、日本BBSさんです。

 BBSさんのブース訪問は、今回のオートサロン視察の中で、最も大きな目的でした。

 なぜなら、昨年夏に「富山巡礼の旅」に行って参りましたが、実はその際に、常務取締役から、

  • 来年のオートサロンに、まったく新しいデザインのホイール(2点)を出展することを予定している。
  • ひとつは、LMのリムのエレガントさと、RGのスポークの力強さを合わせたような感じ。もうひとつは、現在企画中。

とのお話をこっそり伺っておりました。

 これまで、Super-RS18LM19と履いてきた職人としては、見逃す訳にはいきません。

 ということで、その注目の新作ホイールです。まずは「RG-H」(仮称)。↓

nihon-bbs01.jpg

 つづいて「LM-R」(仮称)。↓

nihon-bbs02.jpg

 少し違う角度から。↓

nihon-bbs03.jpg

 たしかに、LMとRG-Rの良いところをブレンドしたようなデザインです。
(LMは10本スポーク、RG-Rは8本スポーク)

 う~ん、良いです。カッコ良すぎですっ!0xF9CB

 しかも、気付かなかったヒトは気付かなかったと思いますが、よ~く見ると。↓

nihon-bbs04.jpg

 スポークの一部が「肉抜き」されています。これは、先にご紹介した「BBS F1ホイール」で使われていた技術と、まったく同じではないですかっ!0xF9CF

 さらに後ほど伺ったお話によると、ピアスボルトも特製の「チタン製」が用いられており、肉抜きとチタンボルトで全体として約1kgの軽量化が図られているとのこと。

 19インチもの大径ホイールで、バネ下重量を減らすことがどれだけ大きな効果を生むことか。
(ここが、よくある「デザイン優先」のホイールとは、決定的に違うところですね)

 う~ん、すごいです。スゴすぎですっ!0xF9CB

 なお、発売時期・価格とも、「未定」とのこと。(いちおう、聞きましたが)

#「肉抜き部分にブレーキダストが溜まったら、掃除がたいへんだろうなぁ」などと、すでに装着後のことを考えてたりして。0xF9C7

 ちなみに、ブースの一角にふつ~に展示してありましたが、↓

nihon-bbs05.jpg

 「なんだ、マグ鍛じゃん」とお思いかも知れませんが、さにあらず。これは"19インチ"のRE-Mgです。(本邦初公開?)

#一体、いくらするんでしょうか。0xF9C8

 ということで、本当に実りの多い、BBSさんのブースでした。

#M5用REの切削モデルの納期や、MINI用RV-Fのオフセットなどについて、顧客ルーム内で常務取締役に執拗に食い下がるおじさん達(約2名)を残して、職人はつぎのブースへと向かったのでした。0xF9C7

#次回予告
  ・スーパーチャージャー編(オグラクラッチ)
  ・brembo編
  ・光りモノ編(PIAA、BELLOF、他)

2005/12/11

 2005年8月27日~28日の2日間、「富山巡礼の旅」に行って参りました。

bbs-toyama01.jpg

 SOARISTO号の隣りは、前日に納車となったばかりのtom_ari号。

 この時点では、日本にまだ10数台しかデリバリーされていない、正真正銘の「M5」(車両価格:1,330万円~)です。0xF9CB

 富山と言えば、行き先はもちろん、F1をはじめ、数々のレースシーンに世界最高水準のホイールを供給し続ける、「日本BBS」さんです。
(正確には、その製造元である「ワシマイヤー」さん)

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 今回は、juinさんとtom_ariさんのお取り計らいで、日本BBSさんの常務取締役じきじきにご案内いただけることになりました。

 技術屋の端くれとしては、これまで履いてきた「Super-RS」や「LM」が、どのような環境で作られているのか、とても興味があるところです。

 また、日本BBSさんのプレスリリースでは、このほど国内最大級の「9,000トンプレス機」が完成したとのこと。これは見逃すわけにはいきません!0xF8F2

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