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ペガソス計画(15) - 週刊「ファランクスを作る」

 前回の続きです。

 引き続き、基台の作製です。

CIWS Tiny Phalanx, Switch Panel

 ベースボード上に固定した、「Jetson TX2 Developer Kit」です。

 基台に収納してしまうと、RESETスイッチをはじめとして、基板上にあるスイッチが押せなくなってしまいます。

CIWS Tiny Phalanx, Switch Panel

 そこで、前面パネルに取り付けるための、スイッチ基板を作製しました。

 5mm厚のアクリル板に取り付けるため、通常よりも柄の長い、タクトスイッチを使っています。

 あわせて、Jetson TX2用だけでなく、「ArbotiX-M Robocontroller」用のRESETスイッチも、組み込んであります。

CIWS Tiny Phalanx, Switch Panel

 擬装用に、サーフェイサーを吹いて、ライトグレーに仕上げておきます。

CIWS Tiny Phalanx, Switch Panel

 裏面は、このような感じ。

 Jetson TX2のジャンパピンは、それぞれのスイッチに対して2本ずつ出ていますが、配線量を減らすため、GNDは共通にしています。

 基板の表面にあったトランジスタは、LED制御用のものです。

 Jetson TX2には、外部取付用のパイロットランプとして、330Ωの抵抗を挟んだジャンパピンが出ています。

 しかし、この信号の電圧は3.3Vのため(Jetson TX2内部は1.8V)、今回使用しようとしている定格3.0Vの高輝度LEDを駆動することは、少し難しくなっています。

#一般的な、定格2V系のLEDを使えばいいだけのハナシですが、まぁ、そこは天邪鬼なので。0xF9C7

 そこで、トランジスタ(抵抗入りのデジタルトランジスタ)を介し、ArbotiX-Mから供給される5.0Vを使って、高輝度LEDを点灯させるようにしています。

CIWS Tiny Phalanx, Switch Panel

 Fusion 360で、スイッチ部をモデリングします。

 各スイッチの上部には、後からズレなく銘板を入れられるよう、深さ0.2mmの凹みを付けておきます。

 また、各スイッチの周囲には、スイッチが押し易くなるよう、皿ザグリを入れてあります。

CIWS Tiny Phalanx, 4D Systems gen4-uLCD-70D-SB

 4D SystemsのTFTディスプレイ、「gen4-uLCD-70D-SB」です。

 こちらも、取り付けの準備をします。

CIWS Tiny Phalanx, 4D Systems gen4-uLCD-70D-SB

 ベゼル部が、金属の素材剥き出しのため、スイッチ基板同様、サーフェイサーを吹いて、ライトグレーに仕上げておきます。

 画面下端にFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)があったり、四隅に小さな隙間があったりするため、塗料が内部に入り込まないよう、細かくマスキングを施しておきます。

 なお、画面中央部に塗料が載っていますが、出荷時から貼ってある保護シートを剥がさず塗っただけなので、問題ありません。

CIWS Tiny Phalanx, 4D Systems gen4-uLCD-70D-SB

 データシートから、取付寸法を起こします。

 注意すべきは、四隅の取付穴に対し、上下左右のベゼルの幅が、微妙に異なっていることです。

 画像の表示位置が、前面パネルのちょうど中央にくるよう、取付穴の位置を調整します。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 フロントパネルに、TFTディスプレイ部とスイッチ部を組み合わせ、モデリングします。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 5mm厚のアクリル板を、切削します。

 今回初めての、透明タイプ(ミスティスモーク)のアクリル板となるため、表面にキズを付けてしまわないよう、慎重に作業しました。

 保護シートを貼ったまま切削できる特殊なエンドミルもあるようですが、今回使っているエンドミルは、一般的な樹脂用タイプのため、保護シートを剥がして切削しています。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 透明タイプのアクリル板、切削完了。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 スイッチ部も、やたらと綺麗に仕上がりました。0xF9CF

 銘板をズレなく入れるための凹みも、うっすらと見えています。

 計3種類のフラットエンドミル・ボールエンドミルを使い分け、切削しています。

 エンドミルを取り換える毎に、Z軸方向を校正しなければならないため、なかなかに手間が掛かりますが、これだけ美しく仕上がれば、苦労も吹き飛びます。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 固定用のボルト類も、抜かりなく塗装しておきます。

 ボルトは「横須賀海軍工廠グレイ」で、スペーサーは「ライトグレー」で。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 TFTディスプレイを固定。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 TEPRAの透明タイプのテープを使って銘板を作り、スイッチ部に貼り込みます。

 位置決め用の凹みがあるため、貼り付けは比較的簡単ですが、ルーペと精密ピンセットを使って、寸分の狂いなく貼り付けます。

 プラモデルの透明パーツに、デカールを貼っている感じです。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 スイッチ基板を取り付け。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 フロントパネルを、基台前面に装着。

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 ついでに、外人ウケを狙って、KANJIのデカールを貼ってみました。0xF9F8

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 電源投入。

 いや~、イイ感じになってきました。0xF9CF

CIWS Tiny Phalanx, Front Panel

 マザーマシンである、Snapmaker 2.0 A350と。

 んが、しかし、高輝度LEDで作ったパイロットランプが明る過ぎて、銘板が読みにくいという弊害が・・・。

#まったく、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」、ということで。0xF9C7

(つづく)

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