SOARISTO工房 Logo

大画面カーナビ(CN-F1X10BD)の取付(2) - Audi R8編

 前回の続きです。

 とりあえず、センターコンソールに加え、助手席側のグローブボックスなどを、片っ端から取り外します。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 話は逸れますが、内装を取り外すと、随所にアルミ素材が多用されていることが分かります。(ASF:Audi Space Frame Technology)

 Audi R8は、「さすがはレーシングカーベースのものを、市販車にしたクルマだなぁ」と、つくづく感心します。0xF9C5

#Porsche GT3などは、「市販車ベースのものを、レーシングカーにしたクルマ」かと。

 逆に分かったことですが、ボディアースが取れるポイントが決まっているため、引き回しに工夫が必要となりそうです。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 センターコンソールの奥に、CANバスアダプターなどが隠されているため、ワイヤーハーネスを慎重に引き出します。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 これだけのものが、隠されていました。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 ワイヤーハーネスは、全部で10本もあります。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 上段は、FM/AMアンテナブースター。

 下段は、左からCANバスアダプター、HI/LOWコンバーター、リヤカメラアダプター。

 CANバスアダプターは、CANバスから、イルミネーション信号(桃-白)、サイドブレーキ信号(若草)、リバース信号(紫-白)、車速信号(桃)、ステアリングスイッチ信号(茶)を、それぞれ取り出します。

 HI/LOWコンバーターは、ナビのメインユニットからのアンプ出力を、車両側のパワーアンプへのライン出力に、レベル変換します。

 リヤカメラアダプターは、リヤカメラからのビデオ信号に、CANバスから取り出したステアリングホイールの舵角情報を元に、後退時の予想進路の“枠線”を付加(スーパーインポーズ)します。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 メインのワイヤーハーネス。

 左側が車両側、右側がナビのメインユニット側です。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 上段が、地デジアンテナ用のケーブル、下段が、GPSアンテナ用のケーブル。

 地デジアンテナ用ケーブルのコネクタは、Clarionで使われている「GT13」というタイプ。

 GPSアンテナ用ケーブルのコネクタは、Clarionで使われている「GT5」というタイプ。

 「GT5」は、Panasonicでも使われているようなので、このまま「CN-F1X10BD」に接続できそうです。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 上段が、DSRC(ETC)ユニットの電源と、AV入力のケーブル(接続する側)、中段が、DSRC(ETC)ユニットの信号と、AV入力のケーブル(接続される側)。

 下段が、リヤカメラ入力と、マイク入力のケーブル。

 ワイヤーハーネスの構成が分かったところで、各コネクタに出ている信号の解析に入ります。

Audi R8, Car Navigation System, Clarion J42AE2JP7A1

 こちらは、Audi R8の純正ナビ、Clarionの「J42AE2JP7A1」と同タイプのナビの配線図。

Audi R8, Car Navigation System, Panasonic CN-F1X10BD

 こちらは、Panasonicの「CN-F1X10BD」の配線図。

 両者を比較し、ケーブルの色から、信号の意味に当たりを付けます。Clarion・Panasonicとも、ほぼ共通の色のため、それほど難しくはありません。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 Audi R8の車両側から、ナビのメインユニット側へ接続するワイヤーハーネスを自作するにあたって、ケーブルを調達します。

 せっかくなので、ケーブルの種類にも拘りました。

 今回は、純正のワイヤーハーネスにも使われている、住友電装の「自動車用薄肉低圧電線」を使います。

 スピーカー信号用は、0.5sqのAVSケーブル(外径φ2.0mm、導体7本)で、フロント左(白・白-黒ストライプ)、フロント右(灰・灰-黒ストライプ)、リヤ左(緑・緑-黒ストライプ)、リヤ右(紫・紫-黒ストライプ)を使用。

 電源用は、少し太めの、1.25sqのAVSSケーブル(外径φ2.1mm、導体19本)で、バッテリー(黄)、アクセサリー(赤)、アース(黒)を使用。

tesa tape 51608

 ワイヤーハーネスの結束には、ドイツ、tesaの「ケーブルハーネス用フリース粘着テープ」(tesa 51608)を使います。

 ドイツ御三家はじめ、自動車メーカー各社で純正採用されているものです。

 PET(ポリエチレンテレフタラート)を基材とする起毛仕上げの繊維素材で、その名のとおり、フリースのような柔らかい手触りをしています。

 これをワイヤーハーネスに巻き付けることにより、走行中の振動などによる“カタカタ音”を防止することができます。

#4ケタ万円のクルマですので、走行中にカタカタ・ミシミシと、軽自動車のようなチープな音がしないよう、しっかりと対策を施しておきます。0xF9C5

 今回は、19mm幅のものに加えて、9mm幅のものも調達しました。比較的細い径のケーブルを束ねる際に、使いやすいサイズです。

INOAC CARMFLEX F-2

 あわせて、INOACの自動車用吸音材、「カームフレックス F-2」を調達しておきました。

 5mm厚と10mm厚とを、場所に応じて使い分けます。

 材料が揃ったところで、さっそく作業に入ります。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 純正のClarionのケーブルを、Panasonicのケーブルに付け替えていきます。

 スピーカーラインは、前述の4色8種類のAVSケーブルを用いて延長します。

 やむなくハンダ付けした部分は、住友電気工業の「スミチューブ」(熱収縮チューブ)で保護しておきます。

 灰色のスミチューブ(φ6mm)は、4線をまとめるため、白と赤のスミチューブ(φ3mm)は、L(左)とR(右)とを示すため、使い分けています。

 最終的には、フリース粘着テープを巻くので見えなくなるため、ざわざわ色分けする必要はないのですが・・・。

#まぁ、気持ちの問題ということで。0xF9C7

 細かいですが、ハンダ付けによる接合位置は、+線と-線で、同じ位置にならないよう、20mmほどずらしています。(純正のワイヤーハーネスも、接合位置をずらす工夫がしてありました)

 なお、「CN-F1X10BD」の「車両・AVインターフェースコード」には、映像・音声入力コード、映像出力コード、サブウーファー出力コードが出ていますが、今回は使用しません。

 余計なケーブルが付いていると異音の原因ともなるため、コネクタを分解してピンを引き抜き、ケーブルを間引いてしまいます。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 加工の終わったワイヤーハーネスです。

 左側が車両側、右側がナビのメインユニット側です。純正以上に、純正然としています。

 また、余計なケーブルを間引いたことにより、純正の状態よりシンプルになっています。

 ケーブルは、電源系、信号系、スピーカー系、それぞれに分けて束ね、フリース粘着テープを巻いてあります。

 左上の白いコネクタは、「サウンドシャキット」に接続されます。

 2つのRCAピンプラグは、リヤカメラと、ドライブレコーダーとに、それぞれ接続されます。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 リヤカメラ入力と、マイク入力のケーブルは、ナビ側が一体となっています。

 精密ドライバーを使って、コネクタからコンタクトピンを引き抜き、両者を分離します。

Audi R8, GPS Antenna Connector GT13 to VR1

 地デジアンテナ用ケーブルのナビ側は、Clarion用の「GT13」となっています。(上段)

 これを、Panasonic用の「VR1」のコネクタに付け替えればよいのですが、いくら探しても、「VR1」のコネクタ(およびコンタクトピン)を見付けることができませんでした。

 そこで、「GT13」を「VR1」に変換する、市販のケーブルを使うことにしました。(下段)

 高周波用の同軸ケーブル同士を、下手に接続(延長)すると、インピーダンスが変わってしまうため、この方法を採りました。

Audi R8, How to Remove Car Navigation System

 上段から、マイク入力用ケーブル、リヤカメラ入力用ケーブル、地デジアンテナ用ケーブル、GPSアンテナ用ケーブル。

 マイク入力用ケーブルは、ステアリングホイール近傍に仕込まれたマイクからの信号を、ナビのメインユニットに渡します。

 リヤカメラ入力用ケーブルは、Clarionの5ピンコネクタを取り払い、RCAピンプラグに付け替えました。

 地デジアンテナ用ケーブルは、「GT13 - VR1」変換ケーブルを4つまとめて両面テープで固定し、カームフレックスで包んでおききました。

 GPSアンテナ用ケーブルは、車両側のコネクタの根元が折れ曲がっていたため、設置時に無理な力が加わらないよう、対策を施しておきました。

 各ケーブルは、部位に応じて、フリース粘着テープを巻いておきます。

 つづいて、ETC2.0ユニットの取り付けです。

Panasonic ETC2.0 CY-ET2500VD

 左側が、純正のClarionのDSRC(ETC)ユニット、右側がPanasonicのETC2.0ユニット(CY-ET2500VD)。

 純正のユニットは、グローブボックス内に、ごっついマウンタを使って取り付けられています。

 このマウンタから、AV入力ケーブル(RCAピンジャック3口)と、USBケーブルとが引き出されているため、ある程度の高さがあることは仕方のないことですが、これがけっこう邪魔になります。

 今回はAV入力やUSBを使用しないため、ETC2.0ユニット付属のマウンタを使って、シンプルに取り付けることにします。

Panasonic ETC2.0 CY-ET2500VD

 センター寄りの奥まったところに、取り付けました。

 元々あった純正のマウンタの取り付け位置(スリットが4本入っている)を参考に、Panasonicのマウンタを、タッピングビスで固定します。

 これまで、分厚い車検証入れが、ぎりぎり収まるぐらいの天地でしたが、純正のマウンタを使わないことにより、グローブボックスの容量がかなり改善されました。

Panasonic ETC2.0 CY-ET2500VD

 ETC2.0ユニットのワイヤーハーネスです。

 電源系は、現物合わせで短縮加工し、信号系は、こちらも現物合わせで余長処理し、いずれもフリース粘着テープを巻いておきます。

Panasonic ETC2.0 CY-ET2500VD

 ETC2.0ユニットの光ビーコンは、この位置に設置しました。

 Audi R8のフロントウィンドウは、かなりスラントしているため、付属のスペーサーを介して接着しています。

 なお、「CY-ET2500VD」の購入後、光ビーコンの形状を変更した「CY-ET2505VD」が発売されました。こちらは、ダッシュボードに置くことができ、背の高いクルマ用に対応しているようです。

Panasonic ETC2.0 CY-ET2500VD

 助手席側のグローブボックスを、取り外したところです。

 アースポイントは、青○のところにあります。

 ETC2.0ユニットのワイヤーハーネスは、既存のワイヤーハーネスに沿わせて、フリース粘着テープで固定していきます。

(つづく)

〔関連情報〕
 ・10V型大画面ナビなのに400車種以上に対応!! パナソニック「ストラーダ F1Xプレミアム10」レビュー【前編】
 (2020年1月20日:Impress Car Watch)
 ・10V型大画面ナビなのに400車種以上に対応!! パナソニック「ストラーダ F1Xプレミアム10」レビュー【中編】
 (2020年1月27日:Impress Car Watch)
 ・10V型大画面ナビなのに400車種以上に対応!! パナソニック「ストラーダ F1Xプレミアム10」レビュー【後編】
 (2020年2月3日:Impress Car Watch)

Trackback(0)

Trackback URL: https://www.soaristo.org/mt/mt-tb.cgi/1200

Post Comment