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デュアルCPUマシンを作る(2) - バックプレートの作製

2021/10/10

 前回の続きです。

 メインディッシュが届きました。

Dual CPU Machine Asus WS-C621E-SAGE

 Asusの「WS C621E Sage」(購入価格:89,869円)です。

Dual CPU Machine Asus WS-C621E-SAGE

 開封の儀。

Dual CPU Machine Asus WS-C621E-SAGE

 IntelのLGA-3647ソケットが2基搭載され、Xeonプロセッサをデュアルで動作させることができます。

Dual CPU Machine Asus WS-C621E-SAGE

 さらに、Asusのマザーボードだけあって、ワークステーション用でありながら、オーバークロックにも対応しています。

Dual CPU Machine Asus WS-C621E-SAGE

 PCI Express(Gen3.0)スロットは、7本用意され、最大4-WayまでのnVIDIA SLIに対応しています。

#さすが、サーバー向けスペック。0xF9CF

 ビデオカード用の4本のPCIeスロット(すべてx16動作)は、電源供給が強化され、ノイズ対策も施されているようです。
(画像中の、シールドが施されているグレーのスロット)

Dual CPU Machine Asus WS-C621E-SAGE

 で、ですね、

 ワークステーション用ということで、フォームファクタ(マザーボードの規格)も特殊です。

 一般的には、「ATX」や「E-ATX」などですが、「WS C621E Sage」は、「SSI-EEB」という規格で、12inch x 13inch(304.8mm x 330.2mm)もあります。

 当然、ミドルタワーの「CM 690 III」には、一筋縄では取り付けられません。

 最初の関門として、マザーボードの取り付け穴の位置が、もともと用意されている位置とは、大きく異なるところがあります。
(画像中の、赤色の○の位置)

Dual CPU Machine Asus WS-C621E-SAGE

 取り付けイメージを合成したところ。

 取り付け穴の位置どころか、底面の大きさがまったく異なるため、このままではマザーボードを適正に支えることができません。

 マザーボード単体でもかなりの重量ですが、CPU用の水冷ブロック(2基)やフル実装したメモリ(12枚)、GPU用の水冷ブロック(2基)などを装着するとなると、相当な重量になると想定されます。

 マザーボードに無理な応力が加わることで、予期せぬ障害が発生することの無いよう、マザーボードを確実に固定する方法を工夫することにします。

SSI-EEB Form Factor Backplate
(画像は、SNIA Internationalより拝借)

 と、いうことで、

 SSI(Server System Infrastructure)のEEB(Enterprise Electronics Bay)の仕様に基づいて、ATX(E-ATX)用のPCケースに、SSI-EEBを取り付けるための「バックプレート」を設計し、作製します。

SSI-EEB Form Factor Backplate

 いつものとおり、Fusion 360を使って、モデリングします。

SSI-EEB Form Factor Backplate Milling by Snapmaker 2.0 A350

 2mm厚のアクリル板を、Snapmaker 2.0 A350でミリングします。

 こちらは、マザーボードの固定位置の確認、PCケースへの固定位置の確認のための、プロトタイプとなります。

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 アクリル製のバックプレートをPCケースに固定した上で、マザーボード(WS C621E Sage)を設置し、取り付け穴(10ヶ所)の位置が一致するかどうか、確認します。

#怖いくらい、バッチリでした。0xF9F8

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 プロトタイプに基づいて、金属加工屋さんに、レーザー加工してもらいました。

 素材は、1.5mm厚のステンレス(SUS304)板です。

Snapmaker 2.0にも「レーザーモジュール」がありますが、こんな分厚いステンレス板は切れないので。

 事情があって、1mm厚のものではなく、1.5mm厚のものを使いましたが(後述)、バックプレートだけでも、ずっしりと重いです。かなりの剛性感。

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 PCケースに仮組みし、アタリを見ます。

#当然ながら、カンペキです。0xF9CE

 バックプレートは、PCケースに、ボルトとスペーサーを組み合わせて(後述)、合計11ヶ所のポイントでガッチリ固定されます。

 11ヶ所のうち3ヶ所は、前回に5.25inchのドライブベイを固定していたリベットを、ドリルで揉んで外した穴を利用します。

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 マザーボードは、バックプレートに、7ヶ所のM3ボルトで固定されます。(全体では、10ヶ所)

 10ヶ所のうち、5ヶ所が新設となるため、タップでネジ山を切っておきます。(ピッチは0.5mm、下穴はφ2.5mm)

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 マザーボードを固定するボルト・スペーサーを、別途調達します。

 マザーボードを固定する元々のスペーサーは、スペーサー長6.5mmで、雌ネジ側がミリねじ(M3)、雄ネジ側がインチねじ(#6-32)になっています。

 バックプレートに新設する取り付け穴に使うスペーサーは、ステンレス板の厚み(1.5mm)を考慮して、スペーサー長5mmのものを選びました。

#インチねじを使うと面倒くさいので、雄ネジ側も雌ネジ側も、ミリねじに統一しました。

 これで、PCケースに直接固定する位置と、バックプレートを挟んで固定する位置との高さが、ちょうど合うことになります。

 バックプレートをPCケースに固定するボルトは、マザーボードの裏面に干渉しないよう、ステンレス製の超低頭ネジ(M3×5mm)を選びました。

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 サンドペーパーで足付けして、メタルプライマーを吹いてから、TAMIYAの「セミグロスブラック」で仕上げました。

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 バックプレートに組み込みます。

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 ボルトおよびスペーサーには、念のため、ネジ留め剤を塗っておきます。

 Loctiteの「425」(左側)で、塗布したことが分かりやすいよう、紫色の液体になっています。酢酸系の液体なのか、ちょっと酸っぱいような独特の匂いがします。

SSI-EEB Form Factor Backplate for Asus WS C621E Sage

 Asus「WS C621E Sage」を組み込み、仮固定してみます。

 とーぜんですが、マザーボードの10ヶ所の固定位置のツラは、ピタリと一致しています。基板に無用な応力などが掛かることもありません。

 いや~、やっとここまで来ました。0xF9CF

(つづく)

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