前回の続きです。
いよいよ、評価機を、車両本体に取り付けます。
まずは、運転席側の作業です。
ハンドル下の、ダッシュパネルトリム(以下、パネルトリム)を、取り外します。
パネルトリムの前方は、青色□の位置にある、4ヶ所の嵌合で固定されています。
パネルトリムの下面は、青色○の位置にある、3ヶ所のトルクスボルト(T25)で固定されています。
#水色○の位置にあるトルクスボルトは、エアコンのダクトをパネルトリムに固定しているだけですので、外さなくても大丈夫です。
#緑色○の位置にあるボルト穴は、使われていません。
パネルトリムの一番奥、青色□の部分は、車両側の鰐口に差し込まれています。
パネルトリムには、お馴染みのOBD-IIポート用のコネクタと、LEDフットランプ用のコネクタが接続されています。
パネルトリムを取り外す前に、コネクタ側面のツメを押して、コネクタを引き抜いておきます。
ドライブレコーダーの電源制御回路は、この位置に、両面接着テープで固定しました。
現段階では、プラスチックの上半分(画像では、天地逆さまになっていますが)は、取り付けていません。
これは、一定期間の運用後、各種センサの動作状況を見て、ファームウェアを書き換える必要性が出てくることを考慮したものです。
つづいて、助手席側の作業です。
Audi R8には、Audi純正のドライブレコーダーが取り付けられていたため、これを外します。
純正のドラレコには、電源供給用ケーブルとGPSアンテナ用ケーブルの、2本のケーブルが接続されています。
内張りの中を引き回されている、この2本のケーブルを、取り外します。
Aピラーのアッパートリムを、取り外します。
アッパートリムは、青色□の位置にある、2ヶ所のクリップで固定されています。
上側のクリップを、アッパートリムを下方に引き下げながら取り外し、その後、下側のクリップを、アッパートリムを手前に引き出しながら取り外します。
#BMW M3 Coupe(E92)の時や、Porsche 911 CarreraS(Type 997)の時に比べれば、難易度はそれほど高くありません。
青色□が、クリップの位置です。
#クリップが車両側に残ってしまった場合には、クリップリムーバーで取り外します。
アッパートリムには、スピーカー(ツイーター)用のコネクタが接続されています。
アッパートリムを取り外す前に、コネクタ側面のツメを押して、コネクタを引き抜いておきます。
ちなみに、ツイーターの裏面には、Audiのフォーリングスと共に、「B&O」のロゴが描かれています。
すなわち、デンマークの高級オーディオ・ビジュアル製品メーカー、「BANG & OLUFSEN」のスピーカーが、純正で使われているのでした。0xF9CF
#BOSEは、音が厚化粧過ぎて、いまいち好みではありません。(Porscheで使われていますが)
嬉しい発見があった一方、困った発見もありました。
Audi純正のドライブレコーダーは、車両がドイツ本国から日本国内に輸入された後、Audi Japan Sales(アウディジャパン販売)により取り付けられたものですが、
ドラレコの電源ケーブルとGPSケーブルとが、インシュロック(結束バンド)で、純正のワイヤーハーネスに固定されているのは良いのですが・・・。
純正のワイヤーハーネスは、tesaの「フリース粘着テープ」を巻き付け、しっかり異音対策が施されていますが、後付けの2本のケーブルは、裸のまま結束されています。
さらには、こちら。
GPSアンテナが、何の養生もせず、宙ぶらりんのまま、Aピラーのアッパートリム内に設置されていたことが分かりました。
#たしかに、Audi純正のドラレコの取り付け要領には、この位置に設置するよう書かれてはいますが・・・。
おまけに、GPSケーブルの余長も、トグロを巻かせて2つに折って、裸のまま結束テープで固定して、内張りの中に入れてありました。(画像にはありませんが)
実は、冬の寒い時期、車両が冷えた状態で走らせると、車両前方左側から、コトコト・カタカタという異音がするので、これがずっと気になっていたのでした。
#冷間走行時に、「マグネティックライド」のショックアブソーバーが、コトコト・カタカタいうのとは、異なる音です。
これは酷い・・・。0xF997
およそ、新車時乗り出し2,000万円超のクルマに対する所行(作業)とは思えません。
まぁ、気になっていた異音の原因が分かったということで、気を取り直して、ドラレコ(DataSystem「DVR3000」の改造版)の取り付けにあたっては、徹底的に異音対策を施すことにします。
異音対策には、tesa製の「ケーブルハーネス用フリース粘着テープ」(以下、フリース粘着テープ)を使用します。
その名のとおり、フリースのような柔らかい繊維が編み込まれていて、ケーブルハーネスの設置後、内装の内側などに触れたとしても、不快な異音を発生させることがありません。欧州の数々の自動車メーカーにて純正採用されている、優れモノです。
左側が、車内の通常の部位に使用する「51608」で、右側が、エンジンルーム内などにも使用できる、耐熱性の「51036」です。(耐熱温度150℃)
プレミアムGPSレーダー探知機の設置にあわせ、Yupiteruの「OBD-IIアダプタ-」(OBDF12-RD)と、自作の「OBD-II延長ハーネス」とを、組み合わせたものを使います。
「OBD-II延長ハーネス」を使うことにより、ヒューズボックスなどに割り込まずとも、OBD-IIポートから、常時電源(BAT)とアクセサリー電源(ACC)を取り出すことができます。
ケーブルが露出している部位にフリース粘着テープを螺旋状に巻き、しっかり異音対策をしておきます。
このような感じで、パネルトリムに、ケーブルハーネスを取り回しました。
ケーブルハーネスは、エアコンダクトの隙間から取り出しています。運転席の足下上部のため、ケーブルハーネスがぶらぶらしないよう、結束バンドで固定しています。
OBD-IIの赤いコネクタ(オス)は、通常時は、車両側のOBD-IIポートに差し込んでおき、定期点検などでディーラーに入庫する際には、コネクタを外しておきます。
ダッシュパネルトリムの裏側です。
「OBD-IIアダプタ-」は、両面接着テープを所定の大きさに切り出し、固定しています。
ケーブルハーネスの余長は、最終的には、インシュロック(結束バンド)で固定しておきます。
後付けの部位からは、「絶対に異音を出さない」という強い覚悟で、各部の“アタリ”をしっかり確認しておきます。
(つづく)
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