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Lighting Archive
2009/03/29

 またも、だいぶ間が空いてしまいましたが、前回の続きです。

HID Fog Lamp

 HIDバラストの出力を変更する、「切換スイッチ」です。LEDの透過照明になっています。

 この切換スイッチをコンソール周辺にそのまま付けると、「いかにも後から付けました」という“後付け感”バリバリなので、頭と手を使って、少し工夫してみることにします。

HID Fog Lamp

 M3 Coupeのオリジナルの状態では、純正のスイッチユニット(正式名称:「ライトコントロールエレメント」)の青○の位置は、スイッチカバーで塞がれています。
(M3 Coupeでは、メーター等のイルミネーションの照度調節は、iDriveから電子的に行うため、3 Series用にはあったボリュームが、省略されています)

 このスイッチカバーの部分に、切換スイッチを埋め込むことにします。

HID Fog Lamp

 切換スイッチの中身です。3つの状態があり、45W出力の時、赤く点灯、25W出力の時、黄色く点灯します。
(中立状態(35W出力)の時は、LEDは消灯)

 切換スイッチから延びているケーブルは、太くて扱いにくいため、単芯のコードに付け替えておきます。
(いつも使っているコードは、自動車用の、耐熱性のあるものを使っています)

HID Fog Lamp

 純正スイッチユニットのスイッチカバーをフライス盤に固定し、エンドミルで切削します。

 手作業(ヤスリ等による手加工)では、完璧な直線を出したり、四隅に均等にアールを出したりするのは困難です。このフライスマシンは、非常に重宝します。

HID Fog Lamp

 加工の終わったスイッチカバーです(画像左側)。

 純正スイッチユニットも、切換スイッチの中身の基板が載るよう、フレームを切削加工してから、基板を固定します(画像右側)。

HID Fog Lamp

 スイッチカバーを取り付けた状態です。

 M4のエンドミルを使ったので、四隅にはR2が付いています。

HID Fog Lamp

 シーソー部分を取り付け、純正スイッチユニットを、元に戻した状態です。

 シーソー部分とスイッチカバーとの間隔は、0.3mm程度です。

 いや~、我ながら、コワいくらい上手くできました。まるで、最初から組み込まれていたかのような、カンペキな完成度です。(と、自画自賛)0xF9F8

2009/03/21

m3post01.jpg

 世界中のbimmer達と、遊んでます。0xF9F8

2009/03/21

 前回の結果を受け、さらに改良を加えます。

 バージョン1で使用した「Luxeon K2 with TFFC Cool White」は、「LXK2-PWC4-0160」でしたが、今回のバージョン2は、「LXK2-PWC4-0180」を使用します。

 「LXK2-PWC4-0160」は、「220lumen」(最大電流1500mA(/3.85V)時)ですが、「LXK2-PWC4-0180」は、同一条件で「250lumen」と、約1.14倍の改善が図られています。

white_led2023.jpg

 今回使用した、「LXK2-PWC4-0180」です。

 ヒートシンクを兼ねたアルミ板の上に、4つのハイパワーLEDが搭載されています。
(ハイパワーLEDは、リフローはんだで固定されています)

white_led2024.jpg

 アルミ棒の切削形状を、見直しました。

 あわせて、ハイパワーLEDも、アルミ棒に載るサイズに削り出します。

white_led2025.jpg

 パーツを組み合わせたところです。

white_led2026.jpg
M3post用に英語表記しています)

 ハロゲンランプと比較したところです。

 台座からフィラメントまでの距離と、台座からハイパワーLEDまでの距離が、まったく同じになるようにしています。
(画像では、テーブルの上に置いた角度が微妙に異なるので、同じ距離には見えませんが)

 車体側には一切手を加えず、純正ハーネスに、カプラーオンで接続できます。

white_led2028.jpg
M3post用に英語表記しています)

white_led2029.jpg
M3post用に英語表記しています)

white_led2030.jpg
M3post用に英語表記しています)

2009/03/14

 前回の続きです。

 さて、ハロゲンランプの場合には、フィラメントを中心として、ほぼ全周に渡って光が放出される訳ですが、ハイパワーLEDの場合には、光の放出方向に指向性があり、取付位置や取付角度をうまく調節してやる必要があります。
(今回使用する、「Luxeon K2 with TFFC Cool White」の半値角は、120°)

white_led2016.jpg
M3post用に英語表記しています)

 ヘッドランプユニットの中で、ハロゲンランプを点灯させた状態です。

 内側のエンジェルアイは、フィラメントからの光を、お椀状のリフレクターで反射させて、リングに光を当てています。

 一方、外側のエンジェルアイは、フィラメントからの光を、「導光管」のようなものを用いて、リングまで伝えています。
(画像手前の、「く」の字に曲がっているものが、それです)

 ただ、内側のリングには、収束機能(リフレクター)があったのに対し、外側のリングには、その機能はなく、「導光管」に、直接光が当てられています。
(内側のリングに比べて、外側のリングが若干暗く見えるのは、ここら辺に理由があることが分かります)

 ハロゲンランプと「導光管」の位置関係を調べてみると、フィラメントの真横の位置に、「導光管」の入口が来るようになっています。

 外側のエンジェルアイを、より明るく光らせるためには、この「導光管」に、“いかにうまく光を当てるか”がポイントとなります。

white_led2017.jpg

 まずは、正面のハイパワーLED用の溝(幅7.35mm、深さ2.60mm)を削り出します。

white_led2018.jpg

 つづいて、側面の溝です。

 このフライスマシンは、x軸・y軸・z軸方向に、0.02mmの精度で切削することができます。
(一般的な工具を使った手作業(手加工)では、絶対に出すことのできない精度です)

white_led2019.jpg

 こんな感じで削り出しました。

 ハイパワーLED用の電源コード(+/-)を通す溝も、掘ってあります。

white_led2020.jpg
M3post用に英語表記しています)

 仮組みしたところです。

 ハイパワーLEDは、サンハヤトさんの「固まる放熱用シリコーン」で固定してあります。

white_led2022.jpg
M3post用に英語表記しています)

 とりあえず、テスト点灯してみました。

 純正ハロゲンランプと遜色ない明るさを持っていることが分かります。

#よくある装着画像のように、シャッター速度をやたら遅くして、見掛け以上に明るく見せ掛けようなどというセコいことはしていません。
(そういう写真は、背景の明るさを見れば一発で分かります。ウソはいかんですよ、ウソは)0xF9D1

2009/03/07

 またも、かなり間が開いてしまいましたが、前回の続きです。

white_led2010.jpg

 BMW純正、H8タイプ(OSRAM製)のバルブです。

 まずはじめに、バルブ本体のガラス部分を、台座から分離します。

white_led2011.jpg

 バルブ本体は、いくつかの金属で構成されています。ガラス部分を支えている金属は、台座部分の金属に、スポット溶接されています。

 フライス盤に固定して、スポット溶接されている部分を、エンドミルで切削します。

white_led2012.jpg

 ガラス部分を分離し、台座のみとなりました。

 台座内部に、2つの端子が見えます。装着にあたっては、車体側のハーネスには一切手を加えず、カプラーオンとするため、この端子を上手く利用することにします。

white_led2013.jpg

 こんな感じで、φ15mmのアルミ棒が、ぴったり収まります。

white_led2014.jpg

 台座の背面に穴を明けます。

 左右の2つは、車体側から電源を取り出すコード(+/-)のためで、上下の2個は、定電流源からの戻りのコード(+/-)のためです。