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Lighting Archive
2006/08/28

 前回の続きです。

 つづいて、つづきます。

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 ライセンスナンバーランプです↑。

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 裏側です↑。OSRAM製の5Wのウェッジ球(41mm)が使われています。

 このウェッジ球を、LumiledsさんのハイパワーLEDに置き換えることにします。

 一部では、カネにモノを言わして、車内外のウェッジ球を片っ端からLEDに換えた挙げ句、このウェッジ球を換えると「ワーニング(球切れ警報)が出るんですけど」とお嘆きの方がいらっしゃるようですが、そりゃ、当たり前です。

 そんな、中国製だか韓国製だか、訳の分からんLEDを使った、ボッタクリの(しかも、大して明るくない)LEDに換えても、うまくいく訳ありません。
(さらに、キャンセラーなんか使ったら、まったく意味なし)

#もっと、お金は有意義に使いましょう。0xF9D1
(まぁ、他人のカネの使い方なので、どうでもいいんですけど)

 ということで、ハイパワーLEDを使って、ライセンスプレートを照らし出すに必要十分な光量を確保しつつ、キャンセラーを使わずに、LED本来の低消費電力を両立させたいと思います。

#ちょっと辛口すぎたかな。0xF9C7

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2006/08/28

 えっ? 「『Thumb Shifter』はどうなったのか?」って? はいはい、ちゃんとやってますので、しばらくお待ちください。0xF9C7

 ということで、アイデア満載の(別名、移り気な)職人は、つぎなるDIYに取り掛かります。

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 フロントのルームランプです↑。

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 裏側です↑。TOSHIBA製の6Wのウェッジ球が、3個使われています。

 今回は、このウェッジ球を、LumiledsさんのハイパワーLEDに置き換えることにします。
(このLumiledsさん、先日、Philipsさんに買収されましたね)

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 さらに分解↑。

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 LEDが2個見えます↑。砲弾型φ3mmのアンバーLEDです。このLEDが、シフトレバー周辺を、ほのかに照らしてくれています。

 先ほどの、ルームランプのウェッジ球を、ハイパワーLEDに置き換えるついでに、このLEDも、日亜化学さんの高輝度白色LED(以下、ホワイトLED)に置き換えることにします。

 ただし、アンバーLEDとホワイトLEDは、定格電圧が異なるため(アンバーLED:1.9V、ホワイトLED:3.6V)、このまま置き換えたのでは、暗くなってしまいます。

 よって、基板にハンダ付けされている抵抗を、取り替えることにします。標準の状態(アンバーLEDの場合)での抵抗値は、715Ωですが、ホワイトLEDでの抵抗値は、、、。

#すぐに答を求めず、たまには自分で考えてください。0xF9D1

 なお、自動車のように電圧変動が比較的大きな場合には、CRD(定電流ダイオード)を使った定電流方式の方が信頼性が高くなります。
(電圧が変動しても、CRDが一定の電流値にキープしてくれる)

 しかし、SOARISTO号には、メーカーオプションの「ライト・パッケージ」を装着しているため、ぼわ~んと点いて、ぼわ~んと消える、シアターのような演出がなされています。

 ここに、CRDを入れてしまうと、ある一定電流以上になると点いて、ある一定電流以下になると消えてしまう、ということになるため、単純な定電圧方式にて点灯させることにします。
(まぁ、そもそも純正の状態が定電圧方式なので、気にするほどのことでもありませんが)

 その他、「ライト・パッケージ」では、フットランプをはじめとして、車内各所にランプが設置されています。特に、ドアノブ周辺とドアポケット周辺にLEDが設置され、間接照明のように、夜間、手の触れる部分を、ほのかに柔らかく照らしてくれます。これは、なかなかに凝った演出です。

 さらには、ドアミラー下部にもLEDが設置されています。ドアキーのOpen/Closeに連動して、ウェルカムランプのように、足元をほのかに照らしてくれます。「光ものマニア」の職人にとっては、最高の演出です。0xF9CF

 ということで、この車内各所に設置されているアンバーLEDを、順次、ホワイトLEDに置き換えていこうと思います。

 本日はお日柄も良く、絶好のお花見日和0xF9EDと・・・、(むにゃむにゃ)。

 ということで、この2月に納車されたばかりのjuinさんのM5に、「ホワイト・エンジェルアイ」を取り付けてみました。

 日陰ではありますが、お昼過ぎであったため、周囲の環境光はそれなりにあります。写真左側が「純正バルブ」、右側が「ホワイト・エンジェルアイ」です。

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 昼間帯であっても、純正バルブとほぼ同等の光量が確保されていることが、お分かりいただけるかと思います。(しょぼい市販品とは異なります)0xF9F8

 さて、このM5のボディーカラーですが、これまでに見た「ブラック」とは、なんとな~く違うのです。なにか、こう、色の奥行きが深いというか・・・。(写真では分からないと思いますが)

 そうなのです。このM5は、Individual(特別注文によるカスタムシステム)なのです。ノーマルのM5は、「ブラック・サファイア」というメタリック・カラーですが、Individualで、「ブラックII」というソリッド・カラーにしてあるのです。

 インテリア・トリムも、「ピアノ・フィニッシュ・ブラック」という、スタンウェイやベヒシュタインのような、漆のような深~い黒になっています。

 M5自体、それほど日本国内で走っていませんが、このIndividualの「ソリッド・ブラック+ピアノ・ブラック」という組み合わせ、はたして日本で(世界で?)何台走っていることでしょう。0xF9CE

 とかいって、駐車場内で勝手に取付オフミをしている真後ろを、「Lamborghini Murcielago」が、怒濤のV12サウンドを轟かせて、走り去っていきました。(ひょえ~っ!)0xF9CF

2006/03/27

 久しぶりのDIYです。先ほど、夜中の1時過ぎまでガレージでガチャガチャやってました。0xF9C7

 「ホワイト・エンジェルアイ」の発表からほぼ半年、耐熱性・耐候性にも特に問題がないことが実証されたことから、さらなる改良を図ってみることにしました。

 LumiledsのハイパワーLEDには、3種類の消費電力のものがあります。前回の作品では、「LXHL-LW3C」という3Wの素子を使用しましたが、その上に、「LXHL-LW6C」という5Wの素子があります。

 ただし、この5Wの素子は、相当量の発熱があり、きちんと放熱させないと自らの熱で寿命を縮めてしまうほど、多くの熱を発します。0xF9A0

 前回の作品では、アルミ削り出しによる中実構造の本体に「ヒートシンク」を備え、さらにそのヒートシンクを冷却する「マイクロファン」を加えましたが、半年間の試用で十分な熱容量があることが実証されたことから、5Wの素子を使用してみることにしました。0xF9C6

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 写真左側が3Wの「LXHL-LW3C」、右側が5Wの「LXHL-LW6C」です。電気を光に変換する光素子の面積(黄色い部分)が、かなり大きいことが分かります。

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 完成した「ホワイト・エンジェルアイ(5Wバージョン)」です。外観は3Wバージョンとほとんど変わっていませんが、光の集束率をさらに高めるために、微妙に改良されています。
(どこをどのように改良したかは、企業秘密ということで)0xF9CE

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 まず、前回の「3Wバージョン」です。

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 つぎに、今回の「5Wバージョン」です。この角度からだと、あまり変わらないように見えるかも知れませんが、リフレクターに映り込む光の強さが異なっています。

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 両者を比較した写真です。写真左側が「5Wバージョン」、右側が「3Wバージョン」です。エンジェルアイから放たれる光の輪郭が、「5Wバージョン」の方が大きいことが見て取れるかと思います。

#ちなみに、シャッター速度をやたら遅くして、見掛け以上に明るく見せ掛けようなどというセコいことはしていませんので、念のため。

 ということで、日々改良を続ける「手仕事にっぽん」(古)の職人でした。0xF9C6

〔関連情報〕
   ・超高輝度白色LEDエンジェルアイランプの製作
   ・PIAA「リング・マーカー」との比較
   ・超高輝度白色LEDポジションランプの製作

2006/01/03

 こんばんは、SOARISTOです。0xF995

 「ホワイト・エンジェルアイ」の発表から4ヶ月が経った昨年12月末、PIAAさんから同種のアフターパーツが発売されるに至りました。その名も「リング・マーカー」。

 なにしろ、“一流メーカー”の「製品」ですから、どの程度の光量が確保されているのか、さっそく比較してみることにしました。

#入手は、いつもの某「独自ルート」からです。0xF9C6

〔製品紹介〕

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 今回購入した「リング・マーカー」(H-409)です。

white_led702.jpg

 形状は、純正バルブとほぼ同様です。

 バルブ上部は、その形状からすると、バルブ自体がLEDからの熱を逃がすヒートシンクとなっているようです。

#う~ん、どこかで見たようなアイデアですねぇ。0xF9D1

 バルブ下部には、純正コネクターを、そのままカプラーオンできるようになっています。また、バルブ本体の中に、定電流回路(または定電圧回路)が組み込まれているようです。

white_led703.jpg

 バルブ上端です。中心の黄色い部分が、発光素子です。メーカーは不明ですが、少なくともLumiledsでないことは確かです。
(日亜か、豊田合成か、COTOCO(中国)か)

 発光素子のレンズ形状に注目してください。ドーム型をしています。この形状が、後々に効いてきます。(後述)

#職人は、この形状を見ただけで、このバルブの明るさがどの程度のものであるか、察しが付いてしまいました。0xF9C5

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 参考までに、「ホワイト・エンジェルアイ」の上部です。大きなコリメータレンズ(集束レンズ)が付いています。

〔予備知識〕

 工房の作品との比較の前に、少し予備知識を。

 「エンジェルアイ」は、ハイビーム側とロービーム側に2つのリングがありますが、光源(バルブ)は、ハイビーム側に1つしかありません。

 では、どのように2つのリングを光らせているのでしょうか?

 その答えは、点線の白丸の中にあります。

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 簡単に言うと、2つのリングは、「光ファイバー」で結ばれており、光源からの光を、この光ファイバーの中を回曲させて、2つのリングに送り届けているのです。
(光ファイバーといっても、髪の毛ほど細いものではなく、直径数mmほどの「ガラス管」といった方が正しいですが)

 その光ファイバーの「集光部」が、上記写真の白丸の中に見えます。ボタンのように、一部飛び出している部分です。

 よって、エンジェルアイを白く明るく映し出すためには、一般のクルマのスモールランプのように、リフレクター全体に広く光を拡散させるのではなく、「いかにこの集光部に光を集束して送り込むか」ということが、絶対的な明るさを決める要件となってきます。

〔実証比較〕

 さて、いよいよ比較です。

 以下、すべてシャッター速度を同じにして、同一条件にて撮影しています。

#シャッター速度をやたら遅くして、見掛け以上に明るく見せ掛けようなどというセコいことはしていません。
(そういう写真は、背景の明るさを見れば一発で分かります。ウソはいかんですよ、ウソは)0xF9D1

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 左側がPIAAさんの「リング・マーカー」、右側が工房の作品「ホワイト・エンジェルアイ」です。その明るさの差は一目瞭然ですね。0xF9C6

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 PIAAさんの「リング・マーカー」です。

 エンジェルアイ全体に光が行き届かず、リングがまだらに明るくなっています。

 色調は、確かに6,500kを謳うだけあって「蒼白」(青っぽい白)に見えますが、絶対的な明るさが足りないため、逆に弱々しさが強調されてしまっています。

 夜間の周囲光の少ない状態でこの明るさですから、夕暮れ時の最も事故の多い時間帯などでは、果たしてしっかりと視認できるのでしょうか。

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 工房の作品「ホワイト・エンジェルアイ」です。

 エンジェルアイ全体が、くっきり・はっきりと浮かび上がっています。周囲のリフレクターにも、光がこぼれています。

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 最後に、2つのバルブの特性の決定的な違いを、如実に表す1枚です。

#工房にて、安定化電源を用いて同時点灯させてみました。

 まず「色調」ですが、同じ色のシート(水色)に載せて点灯させたにも関わらず、大きく異なります。

 「リング・マーカー」は、確かに6,500kを謳うだけあって「蒼白」に見えます。一方、「ホワイト・エンジェルアイ」は、リング・マーカーに比べれば「純白」に近い色に見えます。色温度で言えば、5,000kぐらいでしょうか。

 さて、もっとも注目すべきは、その指向特性(光の広がり方)です。

 「リング・マーカー」の場合は、“ぼわ~ん”と光が全体に広がってしまっています。一方、「ホワイト・エンジェルアイ」の場合は、光が“くっきり”と中心付近に鋭く集中しています。

 すなわち、それだけ効率的に、光ファイバーの集光部に光を集中して送り込むことができるということです。

 仮に、2つのバルブのLEDが、同じ光素子を使っていて、まったく同じ光量を放っていたとしても、指向特性がこれだけ違えば、エンジェルアイの見え方は大きく異なることになります。
(「リング・マーカー」は、せっかくのハイパワーLEDからの光を、大きくロスさせてしまっているということです)

〔まとめ〕

 PIAAさんの製品ですが、確かにすでに販売されている某B社さんの製品や、ネット上で販売されている手作り作品よりは、ハイパワーLEDを使っているという点で、アドバンテージはあると思います。

 しかしながら、実際の装着状態や放射光の指向特性を実証比較した結果、まだまだ改良の余地はあるのではないかと考えます。

 具体的には、よりリングを明るく映し出すためには、バルブ上端のレンズ形状を、LEDからの光を中心部に集束させるよう改善する必要があります。

〔おまけ〕

 PIAA「リング・マーカー」(H-409)を売却いたします。

 状態は、ご覧のとおり、実験用に10数分程度点灯しただけですので、ほぼ新品同様です。発売直後ということもあり、市場ではまだ流通量は少ないと思います。
(すでに売却されてしまった場合には、ご容赦ください)

 引き取っていただける方がいらっしゃいましたら、この記事へのコメントか、掲示板にてご連絡いただけますようお願いいたします。
(メールアドレスは公開しておりません)

#なお、神奈川近県であれば、その場でお取り付けいたします。