前回の続きです。
Vantrueの「Sonnet 1 Pro Max 4K + 4K」というモデル、フロントカメラの改造ができたところで、リアカメラも改造します。

こちら、リアカメラ。
Sonyのイメージセンサー「STARVIS 2」のラインナップの一つである「IMX678」(F値:1.8)を用い、リアも4K品質で記録することができます。
#ちゅーこく製のドラレコの中には、「STARVIS採用」を謳っておきながら、お約束どおりパチモンが入っているモノが多いので、注意しましょう。0xF9D1
大きさは、50mm x 40mm x 30mm程度ですが、見かけによらず、ずっしりと重いです。
前回述べたとおり、4Kで録画することによる発熱対策とし、内部に高熱伝導率のシリコーンが充填されているものと思われます。
Mirrorcam 3のリアカメラの時は、シリコーンは充填されていましたが、比較的簡単に分解することができました。
今回は、無理せず、別の方法を取ることにします。
#そもそも「Water-Proof」と書いてあるので、車外設置用に、確実に防水(絶縁)剤が充填されてますね。
「ミラーカム3(MRC-2024)の取付(1) - Audi R8編」(2024年8月24日)
Audi R8 V10 5.2 FSI quattro S-tronicの側面図から、リヤウィンドウのスラント角を割り出します。
上方では、だいたい11°ぐらいでしょうか。スラント角が深いと、カメラの目線が上向きとなってしまうため、少し浅いぐらいが、ちょうど良いと思われます。
まず、リアへの取り付けですが、付属の安っちぃ~取付ステーは使わず、Mirrorcam 3の時と同様、オリジナルの「マウント」を作製することにします。
スラント角は、机上測定のとおり、11°に設定。

Autodeskの「Fusion 360」で、ささっとデザイン。
フロントと同様、このマウントの中に、超高輝度赤色LEDを埋め込むことにします。

内部は、中空構造にしておきます。

アクリル板を、「Snapmaker 2.0 A350」で切り出します。
画像は、5mmのアクリル板ですが、中空構造にしているため、ほとんど削り取ってしまっています。
#「タイニー・ファランクス」の端材を使っているので、素材の色は、なぜかグレー。

スラント角11°で、精確に切り出してくれています。手加工では出せない精度です。
φ2.0mmのエンドミルで1.0mmピッチで荒削りし、φ1.0mmのエンドミルで0.25mmピッチで仕上げています。

削り出されたマウントのパーツです。
上面のパーツに、薄らと横に2本の縞模様が入っているのは、複数のアクリル板を接合しているためです。
最大11.4mmの厚さを出すため、5mm厚を2枚、2mm厚を1枚、アクリル専用の接着剤で“溶着”しています。
素材として一体化しているため、剥がれることはありません。
#水族館の巨大水槽(アクリル板)と同じですね。
最終的に、下面のパーツ(4mm厚)を溶着し、15.4mmの厚さになります。

つづいて、超高輝度赤色LEDを埋め込むための、加工面をデザインします。

フロントの時と同様、マウントを固定するための「治具」を作り、切削しています。
画像では分かりませんが、治具の側面の一部は、マウントの上面のスラント角11°に合わせ、内側に傾斜(79°)させてあります。
これにより、治具にマウントを填め込み、ベースボードにボルトで固定した際、適度な圧が掛かり、マウントをしっかり固定することができるようにしてあります。
良い道具を揃えると、良い仕事ができます。
良い道具を使って、良い道具を作れるようになると、さらに良い仕事ができるようになります。
ただし、良い道具を持っていたとしても、良い仕事ができるとは限りません。
#ちょうど、東大や京大を出ていても、組織の中で良い働きができるかどうかは、別のハナシであるように。0xF9D1

超高輝度赤色LEDの穴は、左右とも同じ深さに埋め込められるよう、貫通させず、段差を付けてあります。

超高輝度赤色LEDを、仮組みしてみたところです。
OptoSupplyの「OS5RKE56C1A」は、半値角120°で、上下左右、かなり広い角度から視認することができます。
この特性を活かし、左右後方の広い範囲から確認することができるよう、帽子型LEDの“出目金”度合いを調整しています。

“神ヤスリ”で表面を整えた後、TAMIYAのスーパーサーフェイサーを吹いて、下地を作ります。
上面と下面は、両面接着シートをアクリル板の素地に直接貼り付けられるよう、マスキングしてあります。

リアカメラの本体色に合わせて、TAMIYAの「セミグロスブラック」(TS-29)で上塗りし、塗装完了。

多芯ソフトキャプタイヤケーブルの配線を半田付けし、熱収縮チューブで保護しておきます。

3Mの超強力両面接着シート(耐熱120℃)を、所定の大きさに切り出し、上面と下面に貼り付けます。

マウントを、リアカメラの上面に貼り付けます。
形状や色合いもぴったりで、あたかも、Vantrueの純正品のような仕上がりにできました。
(自動再生しない場合は、右クリックでメニュー)
「セキュリティLED制御回路」(FIAレインライト対応版)で、動作を確認。
ということで、フロントカメラに続き、「Vantrue Sonnet 1 Pro Max」のリアカメラの改造、完了。
なお、Snapmaker 2.0 A350には、「3Dプリントモジュール」もあるので、今回、「CNCモジュール」で削り出したマウントを、ABSフィラメントで造形するという方法もあります。
しかし、リアカメラの取り付け位置は、ミッドシップエンジンの直上、リアウィンドウの上方になることから、長期使用時の耐久性を考え、アクリル板を削り出す方法を取りました。
(つづく)

「Project MAD MAX」部品の検品 - Audi R8編

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