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Akrapovicサウンドコントローラーの製作(1) - Audi R8編

 「Akrapovic Slip-On Line Titanium Exhaust System」を装着してから、約1年半が経ちました。

Audi R8 Akrapovic Slip-On Line Titanium Exhaust System

 リヤから響くエキゾーストノートは、当初のAudiらしい「アンダーステイトメント」なサウンドから、惚れ惚れするような「アグレッシブ」なものに変わり、とても満足しています。

 とはいえ、Audiのいうところの“インテリジェント・スーパースポーツ”としての「オーセンティック」な部分は失わず、クルマを走らせることの愉しさを、より強いものにしてくれました。

#Audi R8は、“跳ね馬”や“雄牛”とは違って、スーパーカーではありません。“スーパーカー”という響きが、スーパー馬鹿っぽいので、ここでは使いません。0xF9D1

Audi R8 Akrapovic Slip-On Line Titanium Exhaust System

 多くのコストが掛かりましたが(定価:1,091,880円、取付工賃別)、ほんとうに装着して良かったと思います。0xF9CF

Audi R8 Akrapovic Sound Kit Wireless Exhaust Valve Control System
(画像は、Akrapovic d.d.さんから拝借)

 一方で、不満がまったく無いわけではありません。

 Exhaust Systemの装着に合わせ、バルブ開閉制御用のリモコン、「Akrapovic Sound Kit」を取り付けたのですが(定価:82,080円、取付工賃別)、ワイヤレスだけあって、ときおり、バルブの開閉が効かないことがあります。

 Bluetoothでスマホに接続し、専用アプリから制御することもできるのですが、車内の電波条件が悪いのか、制御回路の出来が悪いのか、ペアリングしておいても、相手が掴めないことがあります。

Audi R8 Akrapovic Sound Kit Wireless Exhaust Valve Control System
(画像は、Akrapovic d.d.さんから拝借)

 一つ前のモデルでは、画像のように、シガーソケットにスイッチを差し込み、そこからON/OFFできるものもあったようです。

 ちなみに、いま本国(スロベニア共和国)のサイトを見たところ、Audi R8の第一世代用のチタニウムマフラーは、カタログから落ちていました。

#危ないアブナイ。ディスコン前に買っておいて、良かった~。0xF9F8

 いずれにしても、ワイヤレスでは不安定なため、ワイヤードでコントロールすることにします。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 前車、Porsche 911 Carrera S(Type 997 Phase 2)では、「PSE(Porsche Sport Exhaust System)」用に、「可変バルブ制御回路」を作製しました。


(大きなエギゾースト音がしますので、音量注意)

 このような感じで、可変バルブを、センターコンソール(コンバインドスイッチ)から、純正ライクに制御することができます。

 今回、これと同じ制御回路を、Audi R8用に、改めて作製することにします。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 ところで、Porsche 911の時には、センターコンソールに、「マフラーのアイコン」が描かれたスイッチがありました。

Audi R8 Akrapovic Sound Kit Wireless Exhaust Valve Control System

 一方、Audi R8には、このようなスイッチは、残念ながらありません。

Audi R8 Race Mode Button
(画像は、BKS-Tuning GmbHさんから拝借)

 Audi R8のシフトゲート周りには、Audi R8 GT用として、「Race Mode Button」なるものがあります。

 これが使えるのではないかと思い、いろいろ調べてみたところ、これは“ボタン”であって、“スイッチ”ではないことが分かりました。

 Audi R8 GTでは、「ある儀式」を行うと、数々の安全制御機能から解き放たれ、「本来の性能」を発揮できるようになります。その際、このボタンがオレンジ色に点灯するようです。

#いくら特殊な車両とはいえ、このボタンが、125.00ユーロもするとは・・・。0xF9C7

 よって、単なるインジケーターであって、切り替えスイッチとしては、使えません。

Audi TT RS Sound Button

 弟分のAudi TT RSには、「RSサウンドボタン」なるものがあるようですが、これを取り付けるには、大改造(センターパネルの穴開け)が必要となります。

Audi TT RS Sound Button

 Audi R8の第二世代にも、「エキゾーストスイッチ」がありますが、そもそも第一世代のステアリング周りとは形状が大きく異なるため、さらなる大改造が必要となります。

Volkswagen Golf R Exhaust Button
(画像は、Double Apexさんから拝借)

 一方、海外のサイトを探していたところ、親戚のVolksWagen Golf R用に、「Exhaust Button Kit」なるものが、アフターパーツとして出ていることが分かりました。

Volkswagen Golf R Exhaust Button
(画像は、Double Apexさんから拝借)

 純正ライクで、透過照明(イルミネーション)もあり、なかなか良さそうなスイッチです。

 しかし、これを運転席側のダッシュパネルトリムに、ガタ付き無く固定するためには、パネル裏面をかなりしっかり整形する必要がありそうです。

Amon Push Switch 3224 3225

 と、いうことで、以前から存在は知っていた、エーモンの「貼り付けプッシュスイッチ」を使うことにしました。

 なぜ2セットあるかというと、左側が「On/Off連動タイプ」(3224)で、右側が「イルミネーション連動タイプ」(3225)と、びみょ~に仕様が異なることから、両方買うことにしたためです。

 「On/Off連動タイプ」は、スイッチがOnの時に、スイッチ上部のインジケーターが“明るく”点灯し、スイッチがOffの時に、“淡く”点灯します。

 「イルミネーション連動タイプ」は、イルミネーション(スモールランプ)に合わせて、スイッチ上部のインジケーターが(明るく)点灯します。
(インジケーターが点灯していても、スイッチがOnになっているかOffになっているかは、分からない)

 

 なぜにこのような仕様にしたのか、まったくよく分かりませんが、

   ・スイッチをOnにした時は、インジケーターが(明るく)点灯する。
   ・(スイッチのOn/Offに関わらず)イルミネーションを点灯した時には、インジケーターが“淡く”点灯する。

というのが、ふつーです。0xF9D1

Amon Push Switch 3224 3225

 と、いうことで、ふつーの仕様にするために、分解します。

 画像は、「イルミネーション連動タイプ」(3225)のものです。

Amon Push Switch 3224 3225

 回路を解析。

 ふむふむ。なんとか、できそうです。0xF9C5

 LEDのアノード側に、イルミネーション信号(青線)を抵抗で減圧して供給し、かつ、電源(アクセサリー)信号に回り込まないよう、ダイオードを加えれば、ふつーな仕様にできそうです。

 と、その前に、大事な改造があります。

Amon Push Switch 3224 3225

 この、エーモンの「貼り付けプッシュスイッチ」は、“オルタネート”スイッチになっています。

 “オルタネート”とは、「交互に」、「代わる代わるに」という意味で、スイッチを押すとOnに、もう一度押すとOffになる、すなわち、スイッチのOn/Off状態が保持されるものです。

 一方、Porsche 911のセンターコンソールにあったスイッチは、“モーメンタリ”スイッチというものになっています。

 “モーメンタリ”とは、「一瞬の」、「つかの間の」という意味で、スイッチを押している間だけOnになるものです。

 よって、エーモンのスイッチを、“オルタネート”動作から、“モーメンタリ”動作へと、改造する必要があります。

 見てのとおり、小さな基板の中央に、マイクロスイッチが、ハンダ付けされています。

 最初は、このスイッチを取り外し、近い形状のタクトスイッチ(モーメンタリスイッチの小さなもの)に交換しようとしたのですが、考え直しました。

 この、“オルタネート”スイッチですが、メカニカル機構としては、スイッチを押した時に、接点が保持されるようにロックが掛かり、もう一度押した時に、接点保持がリリースされるように、内部で接点を“押さえる”仕組みがあるはずです。

 この“押さえる”仕組みを取り払ってしまえば、スイッチを押している時だけOnになる、すなわち、“モーメンタリ”スイッチになるはずです。

 基板中央のマイクロスイッチを、プラスチックのツメを折らないよう、注意しながら分解したところ、予想が的中しました。

 マクロレンズを持っていないので、見にくいですが、画像右上の青○の中に、「レ」のような形状をした「ワイヤ」があります。

 このワイヤが、スイッチが押される毎に、内部で引っ掛かったり、放されたりして、“オルタネート”動作をしていることが分かりました。

 よって、このワイヤを取り除いて、接点やスプリングを元に戻したところ、まんまと“モーメンタリ”スイッチに改造することができました。

#わははっ。0xF9F8

Amon Push Switch 3224 3225

 さらに、大事な改造があります。

 エーモンの「貼り付けプッシュスイッチ」は、白色LEDが使われています。

 一方、Audi R8のイルミネーションには、オレンジ色のLEDが使われています。純正に近付けるために、これに交換することにします。

Amon Push Switch 3224 3225

 φ3mmのオレンジ色の砲弾型LEDで、OptoSupplyの「OS5OAA3131A」を使用しました。秋月電子通商で、200円/10個でした。

 また、Audi R8のイルミネーションは、オレンジ色よりも、もう少し赤み掛かった色(ブラッドオレンジ色?)に見えるため、「LED光拡散キャップ(赤)」も購入しておきました。(200円/50個)

Amon Push Switch 3224 3225

 ハンダ吸取線を使って、白色LEDを取り外し、オレンジ色のLEDと交換します。

Amon Push Switch 3224 3225

 オレンジ色のLEDに交換し、赤色の光拡散キャップを被せたところです。

 さて、改造できたところで、点灯状態を比較してみます。

Amon Push Switch 3224 3225

 まずは、LEDの発光色の違い。

 左側が、オリジナルの状態、右側が、オレンジ色のLEDに交換したものです。

Amon Push Switch 3224 3225

 つづいて、光拡散キャップによる違い。

 左側が、オリジナルの状態、右側が、赤色の光拡散キャップを被せたものです。

 びみょ~に赤っぽくなっているのと、びみょ~に暗くなっているのが分かりますが、期待したほどの違いはありませんでした。(あらら)0xF9C7

Amon Push Switch 3224 3225

 仕方がないので、タミヤの「クリヤーレッド」(X-27)で、LEDのレンズ部分を、塗装しておきました。

 さらにさらに、大事な改造、というか、改良があります。

Amon Push Switch 3224 3225

 「貼り付けプッシュスイッチ」の“ボタン”の部分ですが、車内の純正の各種スイッチのように、「ラバーコーティング」がなされ、それなりの質感を持っています。

 一方、スイッチの“フレーム”の部分は、プラスチック樹脂の素地がそのままとなっているため、なんともチープな質感になっています。

 また、上記の点灯比較画像のとおり、ボタンとフレームとの間に隙間があるため、ここからLEDの光が漏れてしまっています。

 さらには、ボタンの部分は、前述のマイクロスイッチの“アタマ”の部分の1点でしか支えられていないため、ボタンを押した際にびみょ~にグラつき、なんともチープな触感になっています。

#まぁ、700円前後のアフターパーツに、クォリティーを求めるのもなんですが。

 後付けとは言え、4ケタ万円のクルマに付けるものですので、可能な限り、質感アップを図ることにしました。0xF9C6

Amon Push Switch 3224 3225

 と、いうことで、以前から存在は知っていた、「液体ラバースプレー」を使って、純正のクオリティーに近付けてみることにします。

 左側が、米国・Plasti Dip Internationalの「PLASTI DIP」(ブラック)で、右側が、独逸・FOLIATEC Böhm GmbHの「Spray Film」(マットブラック)です。

 

 なぜに2種類あるかというと、本当はドイツ製の「Spray Film」(400mL)が欲しかったのですが、値段がやたら高いため、やむなくアメリカ製の「PLASTI DIP」(311mL)を購入。その後、「Spray Film」に小型缶(150mL)があることが分かったため、慌てて後から購入したためです。

 せっかくなので、ドイツ製とアメリカ製の比較をしてみることにします。

Amon Push Switch 3224 3225

 左側が、「PLASTI DIP」(アメリカ製)で塗装したもの、右側が、「Spray Film」(ドイツ製)で塗装したものです。

 画像では、あまり違いが分かりませんが、色味としては、「PLASTI DIP」が、“セミグロスブラック”(半ツヤ消し黒)、「Spray Film」が、“マットブラック”という感じです。

 また、スプレーの粒子の細かさでも、「PLASTI DIP」の方は、微妙に荒く、「Spray Film」の方は、粒子が見えないほど、素地と一体化しています。

 総合的には、「Spray Film」の方が、ボタンの部分の「ラバーコーティング」(エーモンの表記)の質感に近く、及第点を与えられる結果となりました。

#やはり、自己中心的なアメリカ製より、質実剛健なドイツ製の方が優れているということで。0xF9F8

Amon Push Switch 3224 3225

 フレームを塗装したついでに、ボタンも塗装してみました。

 ボタン本体は、ベースの部分が乳白色のプラスチック樹脂となっており、これにラバー塗装がなされています。さらに、「電源のアイコン」が塗り分けられており、ここからLEDの光が漏れ出すことで、透過照明となっています。

 しかしながら、画像上段のように、なぜかボタンの外周部分に未塗装のところがあり、これが、“光漏れ”の原因の一つとなっています。

 そこで、この未塗装の部分を、タミヤの「マットブラック」(TS-6)で塗装しました。(画像下段)

 なぜラバースプレーを使わなかったかというと、ラバースプレーで塗装すると、マスキングを剥がず際に、境界ラインに切り込みを入れておかないと、マスキングとともに塗装が剥がれてしまうためです。

 また、ラバースプレーを、いったん剥がしてみたのですが(=一度、失敗した)、塗装を引っ張ってみると、不透明ではなく、半透明であることが分かりました。どうやら、透明なゴムを基材に、塗料(黒色)を混ぜているようです。

 よって、ラバースプレーそのままでは、下地の隠蔽性が低いと思われることから、遮光性を高める意味で、通常の塗料で塗装することにしました。

Amon Push Switch 3224 3225

 スイッチ本体に改良を加えたついでに、ケーブルについても、改良しました。

 「貼り付けプッシュスイッチ」から出ている配線は、ただのバラ線4本を、φ4mmのPVCチューブでまとめたものです。

 これが、なかなかに渋い(びみょ~に硬い)ため、思い通りの形になってくれません。このままでは、ダッシュパネルトリムでの引き回しの際に、難儀しそうです。

 そこで、元のケーブルを取り払い、ドライブレコーダーにセキュリティLEDを埋め込んだ際にも使った、愛三電機の「ソフトビニール多芯コード」(ADS-VCTF 7/0.12 TA)と、交換しておきました。

 その名のとおり、かなり柔軟性の高いケーブルとなっています。秋葉原のガード下の九州電気で、4芯のものが、70円/mでした。

Amon Push Switch 3224 3225

 さらにさらに、改良です。

#ここまで来ると、ほとんど魔改造だな。0xF9C7

 ボタンを押した際の、びみょ~なグラつきですが、これは、ボタン本体が、マイクロスイッチの“アタマ”の部分の1点でしか、支えられていないためです。

 そこで、ボタン全体に、均等にテンションが掛かるよう、ボタン全体を覆うように、フレームの周囲にスポンジを貼り付けてみました。

 試した素材は、2種類。

 INOACの「カームフレックス F-2」(画像のグレーの方)で、大画面カーナビ(CN-F1X10BD)を取り付ける際などに使用したものと、日東電工の「エプトシーラー」(画像のブラックの方)で、前後ドライブレコーダーを取り付ける際などに、ケーブル類の防振に使用したものです。

 スポンジの柔らかさからいうと、「エプトシーラー」が“低反発”、「カームフレックス」が“中反発”、というところでしょうか。

 どちらも“押し感”を試してみましたが、職人的には、「エプトシーラー」が、低反発でしっとりしていて、好みの感じです。(個人の感想です)

#普段、「テンピュール」のマットレスとネックピローで、寝ているからかも知れませんが。

Amon Push Switch 3224 3225

 と、いうことで、部品を元に戻して、完成です。

 左側が、エーモンのオリジナルの状態。右側が、魔改造した状態。

 プラスチック樹脂の質感が、向上しています。また、ショボかった配線も、多芯コードで、グレードアップしています。

Amon Push Switch 3224 3225

 点灯状態です。

 Audi純正のイルミネーションに、色味が近くなっているだけでなく、チープさの根源であった「光漏れ」も、抑止してあります。

 元の部品代より、材料費の方が掛かっていますが、まぁ、なんとか、4ケタ万円のクルマに付けられるクオリティーになったかと。

 あっ、肝心のインジケーターの「減光状態」ですが、プリント基板を改造する手も考えましたが、ここはスマートに、「PWM制御」で実現することにしました。0xF9CE

(つづく)

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