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Porsche Archive

 前回の続きです。

 評価用の回路と制御用のプログラムができたところで、本チャン用の回路を作成します。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 今回設計した回路です。

 4ケタ万円のクルマですので、誤操作したり焼損したりしないよう、いくつかのフェイルセーフ機能を組み込んであります。

#すぐにパクって商売始めるヤカラが湧くので、回路の一部を省略してあります。0xF9D1

 端子「PSE SW」は、「コンバインドスイッチ」のA10ピンを接続します。その名のとおり、PSEスイッチからの入力です。二段の抵抗により分圧し、PICに入力(GP0ピン)します。

 GP0ピンの前に逆向きに入っているダイオード(D1)は、“ツェナーダイオード”で、回路に一定以上の電圧が掛かった場合、電流を逃がし、PICを保護します。

 端子「EV0, EV1」は、ソレノイドバルブに接続します(無極性)。

 ソレノイドバルブの前に逆向きに入っているダイオード(D2)は、“ダンパーダイオード”で、ソレノイドバルブを開閉した際に発生する逆起電力から、回路を保護します。

 PICの出力(GP2ピン)の先のFETは、NチャンネルのパワーMOSFETで、1A程度の回路を余裕でドライブすることができます。

 MOS FETのゲートの前に入っているブルアップ抵抗は、電源投入直後のPICの初期化前でも、ゲートを強制的に引っ張り上げ、ソレノイドバルブの誤動作を防止します。

 端子「PSE LED」は、「コンバインドスイッチ」のA11ピンを接続します。ソレノイドバルブの動作に応じて、PSEスイッチ右上のLEDインジケーターを点灯させます。

 PICの出力(GP1)の先のTrは、NPNトランジスタで、基板上の部品点数を減らすため、バイアス抵抗内蔵型のものを使っています。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 たいした回路ではありませんが、信頼性を考えて、プリント基板を起こしました。

 前回の続きです。

 「PSEスイッチ」からの入力に基づき、ソレノイドバルブやLEDインジケーターを制御するため、PIC(Peripheral Interface Controller)を使うことにします。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 こちらは、以前にもご紹介した、世界最小のマイクロコンピュータ、Microchip Technology社の「PIC10F200」です。

 8ピンのPDIPパッケージで、小指の先ほどの大きさもありませんが、これでも、チップ内部に4MHzのクロックを内蔵し、処理能力1MIPSを持つ、歴としたRISCプロセッサです。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 「PICkit 3 In-Circuit Debugger」で扱うため、PIC10F200シリーズ専用の書き込み基板を作成しました。

 工房特製、大きさ26mm×22mmの、ミニミニサイズです。

 前回の続きです。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 「Porsche Sport Exhaust System」(以下、PSE)の動作を制御するための、「Combined Switch」(コンバインドスイッチ)です。

 品番は「997.613.563.01.A05」、価格は「71.70ユーロ」(約9,130円、輸送費除く)でした。

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 この、「マフラーのアイコンが描かれたスイッチ」(だけ)が欲しかったのです。

 で、世の中には、「PSEコントロールキット」なるモノがあり、手元のリモコンでPSEの制御をカットし、“常時爆音化”できるパーツがあるようです。

 しかしながら、少しばかりの電気の知識さえあれば、そんなパーツに大枚をはたく必要はありません。0xF9D1

 またも、だいぶ間が開いてしまいましたが、前回の続きです。

 PCから購入すると、部品代だけで約43.0万円、個人輸入しても、約31.6万円(輸送費除く)もする「Porsche Sport Exhaust System」(以下、PSE)ですが、

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 某オークションにて、新品を14.1万円で入手することができました。

 落札価格は、20.1万円だったのですが、送られてきた商品を確認したところ、なんと、「デュアルテールパイプ」にキズが入っていることが判明。0xF9FC

Porsche 911 Type 997, PSE DIY, Porsche Sport Exhaust System

 装着すれば見えなくなるところであれば、まだなんとか我慢もできますが、さすがにPSEの“キモ”ともいうべき部品にキズがあるとなると・・・。

 そんな訳で、ドイツから部品が届いた訳ですが、

Porsche 997, Front Lip Spoiler, DIY

 Type 991用の「フロントリップスポイラー」(以下、スポイラー)です。

 しかも、通常のスポイラーではなく、純正オプションの「PASMスポーツシャシー」装着車用のもので、品番は「991.505.525.01.1E0」、価格は「132.67ユーロ」(約17,060円、輸送費除く)でした。

 当然ながら、Type 991とType 997とでは、“顎”の形状が異なるため、実車に仮組みして、アタリ具合を確かめます。

#“顎”というか“唇”というかは、好みの分かれるところですが、ここでは“顎”とします。
 (タイトルは“唇”と書いていますが)0xF9C7

Porsche 997, Front Lip Spoiler, DIY

 スポイラーには、ボディー側の固定穴に填め込むための嵌合が、全部で10ヶ所あります。

 一番外側(両端)の嵌合は、ボディーと干渉するため、根元から削り取ってしまいます。(水色の○の部分、左右計2ヶ所)

 それ以外の嵌合も、ボディーと干渉するだけでなく、ボディーに固定するための「基部」として活かすため(後述)、嵌合の“爪”の部分を削り取ってしまいます。(青色の○の部分、左右計8ヶ所)